鳥インフル 中国・WHO「人から人への感染は未確認」 (2)
「病原体の発見からワクチンを製造するまでには、早くても6カ月から8カ月の期間が必要だ。ワクチンの調合作業が今始まったばかりだが、そのプロセスは複雑を極める。まず、ワクチン株を選別するが、一部の株は毒性がかなり強いため、一定の処理手順を踏まなければならない」
「スタートしたばかりのワクチン研究は基盤研究だが、ウイルスが突然変異し、人から人への感染が生じ、特に成人の間で感染が拡大するような事態になれば、ワクチンをすぐにでも製造しなければならない。しかし、患者の発生が極めて限定的ならば、ワクチン接種の必要はない。コスト効率と感染予防効果から見て、散発性の感染に対しては、拡大予防措置としてワクチン接種を実施するには及ばない。当然ワクチン接種は有効な方法だが、それが唯一の手段という訳ではない」
■WHO「渡航・貿易制限措置は実施せず」
WHO駐中国事務所の藍睿明代表は次の通り語った。
「華東地域で数多くの豚が死亡した現象が、鳥インフルエンザウイルスの人への感染と関係があるのではないかと推測する人がいる。しかし、黄浦江に多数の豚の死体が漂流したことには、複数の原因が考えられる。我々は、豚の死体と鳥インフルエンザの人への感染との間に関係があるとは考えてはいない」
「これらの豚の死体を検測したところ、鳥インフルエンザウイルスは検出されなかった。豚からは、インフルエンザの症状は見つからなかった。患者の一部は、動物と接触した、あるいは動物がいる環境にいたことが分かっており、上海の市場では鳩からウイルスが検出された事実は、動物から人に感染した可能性を示しており、調査が進められている。複数の家族が同じような病状を呈したことから、人から人への感染も疑われたが、この家族2人からは、鳥インフルエンザウイルスは検出されず、人から人への感染を裏づける根拠はまだ見つかっていない」
「WHOと中国関連部門は緊密に連絡を取り続け、対応策を協議している。WHOは、今回の事件に絡み、国境での特別検査を実施する予定はなく、渡航や貿易に関していかなる制限措置を講じることも提案しない」。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年4月9日