墓地不足の中国「墓が高くて死ねない」 日本を手本に
中国メディアが見る日本 先祖を供養する伝統的祭日「清明節」(今年は4月4日)を迎えた中国では、葬祭業界に再び注目が集まった。中国のメディアはこのほど清明節期間に墓地の値段が高騰したことで、「墓地代が高すぎて死ぬこともできない」と報道した。「斉魯晩報」が伝えた。
北京の大興天堂公営墓地を例に上げると、高級霊園墓地の販売額はすでに最高145万元(約2278万円)に上り、北京豊台区思親園骨灰林にある5つの「亭子墓」では、すべてが200万元(約3142万円)に達している。葬祭業者の値段も独占的な高価格で、暴騰する墓地代は国民からの非難の的となっており、政府と社会は、いかに葬祭業界を改革し、国民のために満足できる葬祭サービスを提供するかを検討中だ。
世界で最も高齢化が進んでいる日本では、葬祭業界は「将来性のある業界」だ。日本の葬祭業者は主に民間からなり、政府は指導的な立場としての役割を果たしている。政府は、葬祭業の従業員に対し葬祭ディレクター技能試験資格制度を設置するなど、葬祭業に携わる従業員の資質や業界サービスの向上を図るための指導を行っているが、葬祭業者のサービス料については関与していない。生活保護の受給者に対しては、地方自治体が委託する民間葬祭業者が無料で葬儀を行う。
日本で最も裕福な層といえば、60歳以上のシルバー世代だ。そのため、日本人の葬祭に使う費用は比較的ぜいたくだ。埋葬・送葬費用は、納骨か散骨か樹木葬か、納骨するなら墓地か納骨堂か、などによって異なる。
墓地を購入・墓石を建立する費用は少なくとも20万円、東京都内では平均300万円前後(日本の墓地はたいてい市街地にある)。納骨堂に納骨する場合は、平均費用は30万円から50万円。樹木葬の墓地は土地使用費が各区画で20万円から50万円、管理費は毎年8000円。海や山などに散骨する場合は、約5万円程だ。
それぞれ単独で見ると、日本の葬儀費は非常に高いと言えるが、日本の国民の平均収入が中国の十数倍であることや、多種多様な葬儀方法の選択があることを考えると、葬儀費は一般的な人々からすると背負いきれないというほどではない。恐らくこれがうるさいことで知られる日本のマスコミが葬祭業界に対しては批判が少ない主な原因であろう。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年4月8日