取りづらい配偶者出産休暇 日本は法律で促進=中国紙
中国メディアが見る日本 中国で行われた抽出調査によると、2000年以降に生まれた子どもの父親が取得した休暇日数は平均7.6日で、6割以上の父親が「もっと子供に付き添っていたいが、仕事が忙しすぎて時間が取れない」としている。
妻が高齢出産した場合の配偶者出産付添休暇の延長が2012年2月、「上海婦女児童発展『第12次五カ年計画』」(以下「十二五」)に盛り込まれた。中国政治協商会議はこのほど、社会情勢と民意を踏まえ、妊婦が出産後により多くのケアを受けられるよう、配偶者の出産付添休暇を7日まで延長する意見を提案した。関係者によると、配偶者出産付添休暇の延長を「十二五」に盛り込むことは女性権益に対する一層の重視を示すもので、行政法規などの形で確定するのが最も望ましいという。
上海婚姻家庭研究会の徐安◆副会長は「配偶者出産付添休暇の延長は父子関係を築く上でも、円満な夫婦関係においても、とても大きな意義がある」としながらも、「これは男性のための福利厚生ではなく、家庭に与えられる福利厚生である」と指摘する。
中国、北京、上海、遼寧などの26省・直轄市・自治区は政策・法規の中で、高齢出産者や一人っ子の家族は配偶者出産付添休暇を申請できると定めている。しかし、河南省鄭州で行われたある調査では、6割強の回答者が「休暇を取るのは難しく、給料が引かれるのが心配で妻に付き添うという考えはほぼ実現できていない」と答えている。
日本は近年、少子化傾向が著しく、1人で子どもを育てるプレッシャーに直面したくないとする女性も多い。また男性が外で働き女性が家庭を守るという伝統的なモデルは、親子間の感情を希薄にさせるリスクをはらんでいる。このリスクは自閉症患者の増加を促したり、自殺を急速に増加させたりなどの多くの社会問題を引き起こしている。こうした背景のもとで、日本政府は2010年に新しい家庭の育児スタイルを提唱し、より多くの男性が積極的に子育て・育児をする「イクメンパパ」になるよう推奨している。それを後押しするように、「育児・介護休業法」が2010年6月に改正され、「イクメンパパ」の育児権利がより一層明確に保障された。
この法律によると、3歳に満たない子を養育する労働者は比較的長期の産休を取ることができると定めている。また、事業主の義務として日常の勤務時間を6時間以内に短縮し、残業をさせない短時間勤務の措置を講じなければならないとある。厚生労働省の支援のもと、「イクメンパパ」同士の交流や情報提供をする場として民間が組織した「イクメンプロジェクト」公式サイトが開設され、定期的に模範的な「イクメンパパ」を選び、成功例として宣伝している。
これ以外にも、2011年3月に起きた東日本大震災が多くの日本人に改めて家庭の意義を考えさせるきっかけとなった。以前に比べると家族や肉親の情を大切に感じるようになったという人もかなりいる。日本の男性の中にも「自分の義務は外でお金を稼いでくることだけでなく、肝心なときに家族に寄り添い、力強く支えてあげることが男性の責任であり、愛情表現」だと感じる人が次々と現れている。(編集MZ)
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「人民網日本語版」2013年4月3日