比類なき傲慢さのアップル 中国は自分の権利守れ
米国のアップル社はこれまでずっと中国で成功物語としてとらえられ、スティーブ・ジョブズの伝説がイノベーションの模範となってきた。だが最近はこの成功物語が駄作へと変わりそうな勢いだ。中国の消費者を無視する、アフターサービスで差別的な対応をする、脱税の疑いがある、誤りを指摘されても絶対に認めない……。それでいて「消費者の皆様に比類なきユーザー体験を提供いたします」などと言っている。「人民日報」が伝えた。
中国には「みかんは淮河の南では橘となっておいしく食べられるが、淮河の北では枳となって食べられない」ということわざがある。アップルは米国やその他の一連の国ではそれほど傲慢でないのに、中国で「比類のない」威張り方をするのはなぜなのだろうか。
理屈からいえば、中国市場はアップルにとって「ドル箱」であり、中国市場がアップルの立派な業績を支えているといえる。ある報告によると、中国はアップルにとって世界で最も急速に成長する市場であり、さきの四半期には小売を含む中国での売上高は73億ドルに達した。またアップルの昨年12月の収入のうち、中国が34%を占め、米国の割合を上回った。それなのに、西のこのリンゴが自分の生活を支えている東の父母に対し、これほど傲慢に振る舞う根拠はどこにあるのだろうか。
一方では西側の人々に伝統的にある優越感が災いしていると考えられる。発展途上にある東洋の古い国に、われわれはハイテク技術で奉仕してやっているのであり、われわれと同じアフターサービスを受けることなど望むべくもない、といった感じだ。もう一方では利益を追うという資本の本来の性質がリンゴを狂わせたと考えられる。中国の消費者に悪いことをしても、何のリスクもなく、かえってコストを引き下げられるとすれば、やらない手はない、といった感じだ。
アップルだけではない。中国の消費者は西側のいわゆる名門企業の横柄さに直面して、しばしば無力感を感じている。名門企業が中国に進出すると当たり前のようにルールを設定し、「店が大きくなって客をだます特権」を十二分に享受するようになる。われわれの労働者や消費者は名門企業のひどい仕打ちに黙って耐えるしかなく、やり返すことなどあり得ない。かつてわれわれが崇拝して止まなかった西側流の市場を信頼するという原則、消費者に対する善意、顧客の損失に対する巨額の賠償といった広く伝わる「伝説」も、所を変えるとこれほど違う顔をみせるのはなぜだろうか。かつて中国の市場は信頼できないとあざ笑った西側大手自身の信頼が、これほど軽いものであるのはなぜなのだろう。