円安が日本国民の日常生活に波及
すでに5カ月近く円安が続いている。昨年10月に1ドル=77円だった円相場は、今年3月には1ドル=96円にまで下落した。最近日本の関係機関が日本経済と国民生活への円安の影響について調査した結果、自動車、電子、機械など輸出企業はある程度黒字が増えたものの、こうした業種はすでに生産拠点を海外に移転して現地生産、現地販売を行っているため、現在のところ円安効果は限られていることがわかった。経済日報が伝えた。
対照的に、国民生活へのマイナスの影響は直ちに現れている。特に顕著なのが燃料や電力などだ。自動車用ガソリン価格は過去3カ月間で7.4%上昇し、1リットル当たり平均156円となった。暖房用灯油価格の上げ幅も10%に達した。民生用ガス燃料の価格も明らかに上昇傾向にある。特にLNGなどは価格制度上、輸入価格高騰の影響を極めて受けやすいため、急速に値上がりしている。過去3カ月近く、電気料金も際立って上昇している。東京電力以外のの電力会社3社はすでに政府に8%から10%の値上げを申請している。東京電力は昨年10月に値上げしたばかりで、4月以降も新たな値上げ申請を行うと見られる。
円安は国民の食卓にも直接影響を与えている。まず日本人の食生活に不可欠で、90%近くを輸入に頼っている小麦粉や大豆に大きな影響が出ている。最近東京ではパン、麺類、豆腐、納豆などの価格表示が相次いで変わっている。トウモロコシは主に飼料だが、ほぼ全てを輸入に頼っている。このため今後数カ月、牛乳や牛肉などの価格も相次いで上がることになる。
次に生鮮食料品だ。ほうれん草、トマト、大根、イチゴといったハウス栽培の野菜や果物の価格もやや上昇している。ハウス栽培は一定の電力と燃料を必要とするからだ。海産物価格の上げ幅は大きくないが、漁船の燃料価格が上昇し続けているため、いずれは価格に上乗せされることになる。
現在、日本のインフレ率は負数に近い。これは自動車、電子、家電、衣料品などの価格が下がり続けていることによるものだ。だが関係機関の調査によると、過去10年近く、日本人の生活を密接な関係にある食品、電気、ガスなどの価格は実際には上昇している。上げ幅が10%以上に達するものもあり、円安がこれを加速することは必至だ。今後数カ月、輸入が関係する大量の生活商品の価格が上昇し続ける。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年4月1日