中国の大衆富裕層、7割が「子どもを留学させたい」
米経済誌フォーブス(中国語版)は28日、北京の資産管理会社大手・宜信財富と共同で、「中国大衆富裕層財産白書」を発表した。これによると、中国の大衆富裕層は、ここ数年急速に増加しており、2012年には1千万人を上回り、1人当たりの投資可能資産額は133万元(約2千万円)に達した。このうち海外移住を検討している人は2割以上、子供を海外留学させたいとした人は4分の3に達した。新京報が報じた。
白書は、国際的に通用する基準をもとに、「大衆富裕層」を、「10万ドルから100万ドル(約940万円から9400万円)の投資可能資産を保有する中国中産階級」と定義している。白書によると、大衆富裕層はここ2年で急増、2010年に794万人だったが、2012年には1026万人に達し、1人当たり投資可能資産額は約133万元(約2千万円)に達した。ここ数年の個人資産の増加スピードに基づく推計によると、大衆富裕層は2013年末には1202万人に達する見通し。
大衆富裕層の主流は、1960年代生まれと1970年代生まれで、1970年生まれが全体の3割以上を占めている。職業別の割合を見ると、金融・貿易業が19.2%、製造業が11.5%、不動産業が11.5%。企業形態別で見た場合、民間企業が約半数(49.4%)を占め、次に多いのが国有企業と国家機構(合わせて27.5%)だった。
白書によると、大衆富裕層は、資産配分の最適化とより快適な生活環境と子供の教育環境の追求に大きな関心を注いでいる。
大衆富裕層の海外移住願望は、ワンランク上の富裕層と比べると低い。「海外移住は全く考えていない」とした人は76.0%に達したが、「子供を海外に留学させたい」と希望している人は全体の4分の3を占めた。
これらのデータから、海外の「学区房(優良校の学区内にある住宅)」が、中国人に絶大な人気がある状況も説明がつく。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、2012年、米国不動産市場で不動産を購入した中国人の購入総額は90億ドル(約8474億円)に達し、カナダ人に続いた。ある中国人富豪は、2歳の娘のために、コロンビア大学やニューヨーク大学に近い住宅を購入するため、高級物件を取り扱うサザビーズ不動産を訪れた。
また、白書によると、金融の中心地・上海では、投資熱が盛り上がりを見せており、その多くが金融関係者という。株に投資する大衆富裕層は、上海で6割を上回り、その割合は北京や広州より高い。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月29日