世界に必要なのは心の広い外交
安倍政権は対中関係を重視する一方で、中国封じ込め、中国牽制の意図をしきりに顕わにしている。中国政府は一貫して理性的かつ自制的な姿勢を示すと同時に、協力・ウィンウィンという新しいタイプの外交を強調している。日本はどうやらまだ古い枠組みの中で転げ回っているようだ。
最近、日本全体の右傾化傾向が一段と明らかになっている。日本政界の右翼勢力も一段と動きを活発化しているようだ。安倍晋三首相は3月30、31両日、日本の首相として7年ぶりにモンゴルを訪問した。日本メディアはこの訪問を「対中包囲網」をかき集めるためのものとして大げさに伝えた。日本防衛省のシンクタンク「防衛研究所」は3月20日、2013年版『東アジア戦略概観』を発表し、日本周辺の安全保障環境について分析した。日本メディアによると『東アジア戦略概観』は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題について「従来を上回る警戒」を顕わにし、中国の力の増強と「不測の事態」の発生に懸念を表明している。少し前に日本メディアが明らかにした日本政府が近く発表する『外交青書』の内容も、同様に下心をもって「中国の脅威」を誇張している。
日本は自らの「雄壮な志」を隠すつもりも全くないようだ。自民党は3月17日の党員代表大会で、憲法改正計画を加速し、自衛隊の「国防軍」への格上げを図ることを決定した。この背後にはアジアの覇権を唱える帝国という古い夢が見え隠れするほか、中国の急速な発展に対する喪失感もうっかり露呈している。
われわれは常に「己の心を以て人の腹を度る」と言う。これは人の天性であり、国家に置き換えても当てはまるようだ。最近の中国を念頭に置いた日本の言動には、当時あの強大な大和民族がアジア各国に強いた災禍の歳月を思い起こさずにいられない。まさにこれが原因で日本は、国家が強大化しても覇権を唱えない可能性があることを信じられず、習近平主席が就任後初めて国際舞台に姿を見せて伝えたメッセージ「中国は平和友好の大国、付き合うことのできるパートナー、世界の平和と安定を促進するパワーだ」を理解できないのかも知れない。
「体はすでに21世紀に入っているのに、頭は過去に留まったままでいるわけにはいかない」。習主席はモスクワでの演説でこう述べた。この新しい世紀において、世界各国間の関係はすでに「ゼロサムゲーム」ではなくなっている。協力・ウィンウィンは現実の可能性であるうえ、現在われわれが見ることの出来る国家間の最良の共存の道である。
2008年に全世界を席巻した世界金融危機によってわれわれは、この世界において孤立した小島はもうないことを目の当たりにした。G20サミット、BRICS首脳会議などの枠組みによってわれわれは、協力のパワーを目の当たりにした。国家間の付き合いには自信が必要だと言うのなら、今この世界に必要なのは協力・ウィンウィンの心の広い外交だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年4月2日