北京、鳥インフル対策を強化 感染疑いでもタミフル投与
鳥インフルエンザ(H7N9型)に感染した上海市の男性2人が死亡したほか、安徽省の女性が重体になったことを受け、北京市疾病抑制センターは、同市は既に対策のための医療機構の設置を進めており、H7N9ウイルスを同市のインフルエンザと原因不明の肺炎の検査システムに盛り込んだことを明らかにした。さらに、各病院に対して、緊急事態に対処できるよう体制を強化し、必要な医療用品の準備をするよう指示。感染の疑いがある患者がいた場合にはすぐに報告するよう求めたという。京華時報が報じた。
■検査ネットワークに盛り込み感染確認をスピード化
同センターの関連の責任者によると、市全体の各級各類の医療機構は、原因不明の疑わしい病例、特に原因不明の肺炎の検査を強化し、H7N9感染の疑いがある患者がいた場合、直ちに区・県の疫病抑制部門に報告すると同時に、原因不明の肺炎検査システムにも報告しなければならない。同業務の設置が進むにつれ、H7N9は同市のインフルエンザと原因不明の肺炎の検査システムに盛り込こまれ、感染の疑いがある病例が報告されると、疾病抑制部門が直ちに現場に急行。サンプルを採取し検査するという。
今後はH7N9の検査試薬を使用する前に、H7N9感染の疑いがある病例のサンプルは、中国疾病抑制センターに送られ、検査が実施される。同センターは既に、H7N9の感染が確認された患者に対して、採血や関連の分泌物の採取を実施して、ウイルス分離を行い、遺伝子配列検査を実施すると同時に、同ウイルスの特徴に基づき、関連の検査試薬を制作しており、成功すれば、数時間でH7N9の感染を確認できるようになる。
同責任者によると、「同市は各ウイルスの検査システムを整えており、H7N9の病原体も既に確定。同市の検査ネットワークに盛り込めば、同ウイルスの存在をすぐに見つけることができる」。
■H7N9にはタミフルが有効 疑いでも投与へ
同市は各級各類医療機構のスタッフに対して、自身の身を守ることや病院内の患者の予診やピッキング業務の強化を指示。さらに、原因不明の肺炎に対する意識の向上や緊急事態に対応できる対策、マスクや消毒用品など、必要な医療用品の準備を指示した。
今の時点で、同市ではH7N9感染の疑いがある病例はまだ報告されていない。ただ、対応策や防御策を十分に取ることが必要だ。
同市はH7N9の予防と制御のため、感染の疑いがある患者が発見された場合、同業務に携わる区・県のスタッフが直ちに患者が治療を受ける病院に駆け付け、サンプル採取や流行病学調査、予防対策などを実施する。また、感染の疑いがある患者に対しても、衛生部(衛生省)がH7N9に対して有効としている抗ウイルス剤「タミフル」の投与を実施するほか、患者と密接に接触していた人を調査し、一定時間隔離・観察を実施。感染していないことが確認されたのちに、隔離を解除する。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月7日