▽内外資本の投資先に
ブルームバーグ社によると、日本への投資は現在、高い人気を呼んでおり、外資が日本の株式市場に押し寄せている。
日銀はまだ、量的質的金融緩和(QQE)についての新たな政策を発表していないが、日本株には十分な資金が集まっている。国内外の資本が日本市場の見通しは明るいと考え、投資を高めているためだ。ドイツ銀行の最新統計データによると、世界の株式ファンドに対するここ一年の国際資金には分流の傾向が見られる。日本株ファンドや西欧株ファンド、アジア太平洋株ファンドには資金が流入しており、とりわけ日本株ファンドにここ一年で流れ込んだ資金は純資産比率の2割に達し、最も資金を引きつける市場となっている。
日本株は、海外の資金の人気を集めているだけでなく、日本国内の資本市場もこれを購入し続けている。ゴールドマン・サックス証券の調査によると、日本企業が買い戻した株式の規模は今年、4兆円に達し、2009年の水準にまで回復している。2016年の規模は5.5兆円に拡大し、2017年には過去最高の7兆円近くとなる見込みだ。さらに世界最大の年金を抱える「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は日本株の保持拡大を続けており、保有規模はすでに140兆円に達している。
フランクリン・テンプルトン・インベストメンツの日本ファンドマネージャーを務めるStephen Dover氏によると、日本企業の2016年の黒字成長は1割を超える見通しだ。企業に対する税率の引き下げや円安による為替面での優位性のほか、需要の改善やコストの削減も好材料となる。黒字の成長率と黒字見通しの調整方向から言えば、日本企業は世界の企業と比較してより理想的な状態にある。