中国第2世代衛星ナビゲーション重大特別プロジェクトの応用モデルプロジェクト「北斗に基づく中国海上捜索救助情報システムモデルプロジェクト」が、9月29日に始動した。これは中国独自の衛星測位システム「北斗」の、交通輸送分野における2件目のモデルプロジェクトで、中国交通運輸部(省)、中国人民解放軍総装備部が共同推進する。科技日報が伝えた。
中国の海上で運輸と作業に従事する船舶数は、すでに100万隻弱に達しており、海の関連産業の従事者が約1300万人に上っている。同プロジェクトは救助船に基地局を設置し、船員の携帯電話の電波を沿岸部の基地局ではカバーし切れない救助船周辺海域まで延長するというもの。救助船はトラブルの発生した船舶まで約30キロに接近すれば、その位置を正確に特定し、捜索時間を短縮できる。
中国交通通信情報センター長の曹徳勝氏は、「同プロジェクトは海の利用者に、中国が独自に開発した、安価で信頼性の高い位置情報と通信設備を提供し、海の動的管理と救助現場の動的な情報モニタリング能力を効果的に強化し、地域と部門を跨ぐ情報共有を実現する」と述べた。
北斗システムに基づく海上捜索救助技術は、既存の捜索救助体制を踏まえた上で、中国聯通(チャイナ・ユニコム)との提携を通じ、全国の海の利用者に40万機の北斗海上捜索救助型携帯電話、その他の北斗端末機器を提供する。
曹氏は、「今後、全国の20万隻の商船に北斗端末が搭載される。また商船の特徴に合わせた北斗端末および応用システムプラットフォームを開発・構築し、代表的な海運業者を選び試行を進めていく」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月9日