西南財経大学(四川省)が2013年夏に2万8千世帯の9万9千人を対象に実施した、個人の金融状況調査によると、中国の銀行は不動産価格の高騰によって直接的な損失を被ることはないかもしれないが、不動産価格の急激な下落によって市民の猛烈な怒りを買う可能性があるという。環球時報が米紙「ニューヨーク・タイムズ」を引用して伝えた。
同調査によると、中国の一般家庭は、貯蓄を不動産購入に使う傾向が圧倒的に強い。頭金の高騰や不動産価格の高騰が意味するものは、仮に不動産価格が半減しても、不動産価値の5%が住宅ローンの残額にも満たないという状態だ。
同調査では、中国の一般家庭のほとんどの資産が不動産に集中しており、株式や証券など、そのほかの資産はごくわずかであることが分かった。同研究を担当したテキサスA&M大学経済学部の教授は「もし、不動産価格が下落すれば、彼らは少し気分を悪くするどころか、極めて激しい怒りを覚えるだろう」と警告する。
最近、浙江省杭州市のデペロッパーが在庫の商品(分譲マンション)を減らすために、価格を下げようとすると、既に購入していた人々が割引中止を求めて次々に抗議に出た。また、中国で建設中の5分の1の不動産の建設速度が鈍化し始めている兆しがある。
同研究によると、中国の一般家庭の総資産に占める不動産の割合は66%。北京だけを見ると、84%に達する。一方、米国の同割合は41%だ。同教授によると、中国では、裕福な家庭では、資産が株式や個人企業などにも分散しているが、中流家庭は資金の全てを費やして不動産を購入している。
そのほか、中国の都市に住む住民の87%が不動産を所有しており、不動産価格を高騰させている不動産を初めて購入者する人はほとんどいなくなっている。また、教育を受けた農村の若者は既に都市に出ており、都市化の速度も鈍化の兆しが見えている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月3日