数十元から数百元の月餅が、ゴールドバーとセットになって、数千元もする高級月餅に早変わり――。各地の郵政公司はこのほど、中秋節(今年は9月8日)の贈答用に「ゴールドバー+月餅」セットを売り出した。最高価格が3千元以上(約5万円)もするこの高級月餅は、腐敗を助長するのではと疑われている。新華網が伝えた。
安徽省合肥市桃花郵政支局を取材したところ、売られている月餅セットのうち、食べられる部分、すなわち月餅自体は200元(約3300円)あまりの価値しかないが、セットになると価格が10倍以上に膨れ上がっていた。職員は「月餅の価格は58元―268元(約1000―4400円)で、単品で買うこともできるが、切手や金とセットで買うこともできる」と紹介した。
この高価格の月餅セットは、 包装を見る限りでは普通の月餅とそれほど変わらない。郵政支局の職員は「ゴールドバーセットは10グラムのゴールドバーが月餅の箱に入っている。箱を開けない限り、月餅の箱にゴールドバーが入っているなどと思う人はいないだろう」と語る。
ゴールドバーセットは昨年から計画されており、売上は良好という。職員は「これらの月餅はどれも上流の顧客や指導者に贈られるもの。数千元もする月餅を自分で食べる人なんているわけがない」とした。
この「ゴールドバー+月餅」セットは各企業の社長から人気を集めており、贈答に使えば直接金を渡すよりも便利で、目立たない。郵政支局の職員はさらに、慣れた口ぶりで「受け取った方は自分で持っていても、銀行で換金しても良い。送る方も受け取る方も便利だ」と語った。
実のところ、「高級月餅」は珍しいものではなく、かつては「祝日賄賂」の代表格と呼ばれた。しかし、昨年の中秋節の前に中国共産党中央紀律委員会が月餅の公費贈呈禁止令を通達し、高級月餅の販売が一度は低迷した。
安徽大学社会学教授の範和生氏は「こうした背景の中、郵政公司が全国的に3千元以上もする月餅セットを販売したが、これは全く時流に合わないこと。現在の経済条件において、一般市民がこれほど高価な月餅を買えるわけがない。腐敗を招き、よくない風潮がもたらされるだろう」と指摘する。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年7月31日