日本紙「毎日新聞」がこのほど、「中国撤退ビジネス、活況」という記事を掲載した。人件費、土地代などが高騰し、政治リスクも改善する見通しが立たず、日本企業が中国から撤退する動きが加速しているという。だが「中国からの撤退は、実は容易ではない」との見方も示している。「中国青年報」が伝えた。
▽日本企業の躊躇と堅守
中国日本商会の澤田真治郎会長は6月、メディアに向けて2014年版「中国経済と日本企業白書」を発表した。同白書は日系企業8579社に対する調査分析にもとづくもので、中国は「中期的(今後3年前後)に好調が期待される事業発展の目標となる国・地域」の投票で13年は37.5%の得票率となり、インドネシアの44.9%、インドの43.6%、対の38.5%に続く4位だった。1992年にこの調査を始めてからの12年間で、中国が首位から転落したのは今回が初めてのことだ。
日系企業が撤退を考える主な原因は、中国の人件費が高騰し労働力を確保するのが難しくなったこと、中国経済がペースダウンしたこと、他社との競争が激しくなったこと、中日の政治関係の動きなどだ。業務の縮小や中国市場からの撤退を検討しているのは主に製造業だ。中国で生産し、中国の消費者をターゲットとしている産業は、引き続き中国にとどまることを選択している。
同白書が発表される前日、商務部(商務省)の報道官は、今年1-5月の商務運営状況について報告し、「主要国・地域の対中投資は全体として安定した増加傾向を維持し、韓国と英国は前年同期比増加率が大きく、韓国は87.9%、英国は62.2%だった。日本は同42.2%減少し、米国は同9.3%減少した」と述べた。
日本国際貿易促進協会が今年行った別の調査から、在中国の日系企業が下した選択がわかる。調査対象企業のうち、54.2%が中国での業務を拡大すると答え、39.5%が現状維持を選ぶと答えた。中国での業務を縮小すると答えたのは5%、中国から撤退して他国に移転するとしたところは1.2%だった。