英科学誌ネイチャーは2日、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーのSTAP細胞論文を撤回したことを発表し、日本や世界中の科学界に大きな衝撃を与えた。事態の進展に伴い、人々は小保方氏が主張する新しい万能細胞「STAP細胞」が実在するかどうかではなく、「リケジョの女神」として持ち上げられた小保方氏の成り上がりぶりに注目するようになった。そしてこれらの報道によって、日本の研究所における気風や人材育成、成果発表などの体制上の数多くの問題が露呈された。新華網が伝えた。
小保方氏は今年1月に英ネイチャー誌でSTAP細胞の論文を発表した。このSTAP細胞はあらゆる細胞に分化できる全く新しい万能細胞で、再生医療に革命をもたらすと期待された。しかし、小保方氏の実験を除いて、いずれの研究機関もこれまでSTAP細胞作製の再現に成功しておらず、素人目にも、論文には職業倫理に反するような多くの不正の疑いがあると指摘された。
指摘されたのは主に以下の点だ。
(1)実験方法の1部を引用元を明らかにせず「コピぺ」していた疑い。これについて小保方氏は「ミス」であると説明し、他の論文を引用したことを認めた。
(2)実験結果の写真の切り貼りの疑惑。小保方氏は、「画像を見やすくするために一部を挿入した。画像の切り貼りをやってはいけないと知らなかった」と答えた。
(3)実験結果のマウスの胎盤の写真2枚が小保方氏の博士論文に提出していた写真と酷似していた。しかし、博士論文のテーマとネイチャー誌で発表された論文のテーマは全く異なる上、同じ実験を繰り返したとしても全く同じ写真が撮れるはずがないことから、異なる実験でどのように同じ写真が得られたのか疑問を呼んだ。