鉄道部が解体 市場化で乗車料金が引き上げか
中国鉄路総公司が設立された。これは中国鉄道部(鉄道省)の行政・企業の分離、市場化の道が開かれたことを示すものだが、鉄道市場化の結果として乗車料金も「市場化」される。近い将来に列車の乗車料金が大幅に引き上げられ、今後の輸送コストが続騰する可能性もある。国際金融報が伝えた。
このような懸念も無理はない。中国工程院院士、中国中鉄隧道集団(China Railway Tunnel Group)の王夢恕・副チーフエンジニアは、「旧鉄道部の債務は4兆減弱に達しており、年間約1000億元の利子を銀行に返済しなければならない。現在の鉄道改革プランによると、鉄道部の既存の債務は、中国鉄路総公司が負担することになる」と語った。これはつまり、中国鉄路総公司は巨額の負債を背負い誕生したことを意味する。毎日目を覚ますと、3兆減弱の利息の圧力に頭を悩ませ、しかも終わりの見えない返済義務にさいなまれるのだ。
中国鉄路総公司が完全に市場化に基づき経営されるならば、同社は損益を自ら負担しなければならない。つまり収益力が同社にとって第一の目標であり、株主への利益配当が当然の義務になる。旧鉄道部が発表した2012年度業績報告によると、2012年第3四半期までの資産総額は4兆3044億元に、負債総額は2兆6607億元となり、資産負債率は61.81%に、税引後利益はマイナス85億4100万元となった。2010年の負債総額は1兆8918億元、負債率は57.44%、税引後利益は1500万元となった。2011年の負債総額は2兆4127億元、負債率は60.63%、税引後利益は3100万元となった。2012年上半期の負債総額は2兆5257億元、負債率は61.08%、税引後利益はマイナス88億1000万元となった。
新設された中国鉄路総公司が赤字・薄利の現状を変えるためには、コスト削減もしくは収益増という、二つの方法しか残されていない。これは、同社が歩まなければならない道である。旧鉄道システムの従業員数は数十万人に達するが、いかに余剰の人力コスト消化し、効率を引き上げると同時に混乱を防ぐかが、同社にとって長期的な課題になる。
中国鉄路総公司にとって、現在直面している財政圧力を緩和するための方法は、値上げによるコスト転嫁であり、これで一時的な危機に対応することになる。