第二次世界大戦後の裁判結果は疑うべくもない
――ドイツ・ニュルンベルク裁判記念館を訊ねて 1945年から1946年にかけ、悪名高いナチス・ドイツ空軍元帥のヘルマン・ゲーリングを含む第二次世界大戦の主要戦犯がドイツ・ニュルンベルクで国際軍事裁判を受け、戦争の被害国・国民の正義が証明された。このいわゆる「ニュルンベルク裁判」が行われたニュルンベルク・フュルト裁判所の600号陪審法廷は、今も地方裁判所として使われているが、2階には記念館が建てられ、一般開放されている。参観者は実際に裁判が行われた場所を見学し、文字や映像などの様々な資料を通じて裁判の全プロセスを知ることができる。人民日報が伝えた。
同記念館は開館からわずか2年あまり、入館者数は年間のべ7万人に達する。これは建設当初には予期しなかったことだという。記念館の研究員であるアストリッド・ベイツ博士は、「入館者の数からも、当時の歴史が人々の心の中で大きな位置を占めていることが伺える。入館者の70%が外国人で、アジア人も高い興味を示している」と語る。
ベイツ氏はまた、「記念館が人々の責任感を呼び起こすことを願う。ドイツだけでなく、世界のその他の民族も自国の歴史を反省するべきだ。例えば日本は歴史教科書の中で侵略の歴史を美化し、被害国の人々の怒りを買った。ドイツやフランスはこの問題をとっくに解決している」と述べた。
記念館は民族主義の台頭予防が非常に重要であると認識しており、若者の教育を重視している。例えば館内の音声ガイドでは、一般的な紹介の他に、すべての展示区域に「青少年の言葉」というコーナーが設置されており、若者が自らの観点からニュルンベルク裁判の歴史を語る内容が収録されている。「ネオナチが多い地域から来る若者もいる。展示によって彼らの考えに影響を与えることができる」。
同記念館の館長は「現在、第二次世界大戦の歴史に対するドイツの態度は非常に開放的で、徹底的に反省を行っている。しかし、戦争が終わったばかりの数年間はそうではなかった。ドイツは幾代にもわたる努力の結果、今の成果を実現した」と語る。日本の歴史問題をめぐる誤った行動に関して、館長は「私は日本の態度を恥ずかしく思う。日本は侵略戦争を正義のための戦争と称し、戦犯を勇敢な戦士と見なしている。慰安婦問題や中国での生物化学兵器実験・使用などの問題について、現在に至るまで徹底的に反省、謝罪をしていない。日本の指導者による靖国神社の参拝は中国や韓国人の感情を傷つけている。このような日本のやり方を遺憾に思う」と語った。
安倍首相がこのほど東京裁判の判決に疑問を呈したことについて、館長は強い反対を示した。「ドイツ、日本、イタリアは、自国の利益のために世界文明に極めて大きな損失をもたらした。全体的に見て、ニュルンベルク裁判は公平だったと言える。東京裁判はニュルンベルク裁判の方式に倣って行われたため、裁判結果は疑うべくもない。記念館の展示物からも分かるとおり、ニュルンベルク軍事法廷では当時、被告に対して死刑から無罪釈放にいたるまで24の異なる判決を下した。当時の量刑が慎重に検討されていたことが分かる。公正でなかったはずがない」。
記念館のゲストブックには世界各地の来場者がコメントを寄せており、歴史を認識し、歴史が二度と再演しないよう願う声が大多数を占めていた。日本から訪れたある来場者は「一人旅の最後にニュルンベルクを訪れ、展示を見て深く感じるものがあった。若者として、積極的に過去を認識しようと感じる。同じことが二度と起こってはならない」とコメントしていた。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年3月16日