メタンハイドレート開発 エネルギー構造に変化? (2)
東日本大震災後、日本は赤字時代に突入した。今年1月には1兆6000億円以上の貿易赤字が計上され、単月としては過去最多を記録した。その主因は、液化天然ガスの輸入量の増加だ。
米国のシェールガスは非常に安価だが、日本に販売するならば高額になる。米国から日本に輸送するだけで、100万BTU当たり8−10ドルになってしまう。それならば、安価なシェールガスは米国人にしか利益を与えないことになる。これでは日本企業のライバルに塩を送ることになってしまうのではないか。
日本がこの時期にメタンハイドレートの情報を発表した一つ目の理由は、国内世論の沈静化だ。シェールガスはやはり最も安価であり、メタンハイドレート技術が実用化する前に、この代価は支払う必要があるというわけだ。二つ目の理由は、米国への対抗だ。メタンハイドレート技術を持っているのだから、価格交渉能力を引き上げられるというわけだ。
しかしメタンハイドレートがシェールガスの地位を揺るがせるかについては、多くの人が否定的な態度を示している。その最大の原因は、メタンハイドレートの商業開発が、まだ遠く先の話であるからだ。これには二つの課題が存在する。一つ目は技術的なもので、熱分解も圧力低下も商業開発を満たしておらず、投入が産出を大きく上回っている。二つ目は環境的なもので、メタンハイドレートの開発により、大量のメタンガスが大気中に拡散される。メタンガスは強力な温室効果ガスで、その温室効果は二酸化炭素の20倍に達する。
しかしこれらの問題により、日本が開発を諦めることはあるだろうか?長期的なプランを持たない者は、短期的なプランを策定することもできない。エネルギー構造の変化は数十年に及ぶものであり、早めに手を打つことが重要だ。米国のシェールガス開発による製造業復活の経験を前にし、日本はメタンハイドレートの開発に総力をあげるはずだ。仮に一歩譲り、メタンハイドレート開発が順調に進められたとするならば、最初に利益を手にするのは日本だ。仮に失敗した場合も、日本は真っ先にそれによる災難に襲われることになるが、最大の危険は人類全体に降りかかることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年3月15日