中国2012年映画興行収入、国産が初めて輸入下回る
中国国家広播電影電視総局(広電総局)映画局は9日、北京で記者会見を開き、2012年の映画興行収入が前年比30.18%増の総額170億7300万元(約2416億400万円)に達したと発表した。このうち国産映画の興行収入は82億7300万元(約1170億7300万円)、総額の48.46%を占めた。昨年は、映画輸入規制の緩和を受け、輸入枠が14本新たに増加したことから、国産映画は市場で苦境に立つことを余儀なくされた。これにより、2012年の国産映画興行収入は、10年ぶりに輸入映画を下回る結果となった。新京報が伝えた。
■国産映画、上半期は冴えず
映画局の統計データによると、2012年、計893本の各種映画が過去の記録を塗り替えた。同年の全国興行収入総額は170億7300万元、うち国産映画の興行収入は82億7300万元、全体の48.46%を占めた。しかし、上半期の国産映画興行収入は28億500万元(約396億9400万円)、1億元(約14億1500万円)を上回った作品は6本にとどまり、市場シェアはわずか34.75%だった。一方、輸入映画の興行収入は52億6700万元(約745億33500万円)に達し、12本が1億元を上回った。
下半期に入って、ようやく国産映画にエンジンがかかった。「泰◆」(◆は国がまえで上に「八」、下に「口」の下線なし)、「一九四二」、「画皮2」、「寒戦」などが大ヒット、下半期に興行収入1億元を突破した国産映画は計15本、年間では21本に達した。このうち6本は2億元(約28億3千万円)、3本は7億元(約99億1千万円)をそれぞれ上回り、過去最高をマークした。特に「泰◆」の脅威的ヒットは、「1億元以上稼ぐのは大作の専売特許」という業界の常識を覆した。これまでの観客動員数は、「トランスフォーマー3/ダーク・オブ・ザ・ムーン」と「アバター」をしのぐ延べ3600万人を突破、興行収入約12億元も、国産映画の最高記録を更新した。
■国産映画、年間で予想以上の好成績
2012年の国産映画興行収入は82億7300万元、全体の48.46%と、初めて輸入映画を下回る結果に終わった。このような結果は、昨年2月、中米両国が映画に関するWTO紛争・解決に向けた合意書を取り交わし、米国からの輸入映画のクォータ(割当枠)が増加されたことと関係がある。
映画局の童剛局長はこれについて、「国産映画の興行成績は、中米両国で合意書が締結された当時の予想を上回っており、十分に立派な成績といえよう。我々が今後やるべきことは、国産映画が生き残れるよう市場を広げ、国産映画の市場シェアに対する米中合意の影響を最小限に食い止めることだ。さらには、国産映画市場の潜在力を発掘し、産業チェーンを延伸させ、生産額の構造グレードアップを図り、中国映画市場をより強大化していかなければならない」との見方を示した。