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映画「Back to 1942」(原題:一九四二) |
11月29日付カナダ紙「トロント・スター」に、「ハリウッドと中国がますます緊密化する理由」と題する文章が掲載された。環球時報が伝えた。
「青白い顔のひどく痩せた農民が、荒れ果てた土地を歩いている。背中の籠の赤ん坊は、空腹のために気を失っている」--巨大なスクリーンには、映画のタイトル「Back to 1942」(原題:一九四二)が中国語と英語で表記されている。「河南の大凶作は、多くの悲しい物語を生んだ」というナレーションが入る。画面が変わり、ハリウッド俳優のエイドリアン・ブロディがスクリーンに登場。中国で1942年に起こった大凶作と戦争の様子を描いた同作品で、同じくハリウッドのティム・ロビンスも神父役を演じている。同作品は、中国映画界でヒット作を続々と生み出したフォン・シャオガン(馮小剛)監督の最新作で、ハリウッド映画と中国映画との境界線を曖昧にした大作でもある。米中両国の映画業界はともに、観客動員数増加に力を惜しまない。
クリスチャン・ベールは「金陵十三釵」に出演、米中合作のSFサスペンス映画「環形使者・LOOPER」は、上海でロケが行われた。ニコラス・ケイジは「エグザイル・絆(原題:放逐者)」ハリウッド・リメイク版に出演する予定、などなど、米国の映画制作業は、急成長を遂げている中国市場に、われ先に参入している。中国側も、孤立状態だった数十年を取り戻すかのように、ハリウッドとのコラボレーションに意欲的だ。
北京で8年前から中国映画界のジャーナリストとして仕事をしているジョナサン・ランディクリス氏は、中国の映画興行収入が7年連続、年平均25%のスピードで成長している状況に非常に驚いている。「私が中国映画産業の勃興に最初に興味を持ったのは、2004年だった。当時、米国の映画制作会社の多くは赤字状態だったが、その後ごく短期間のうちに、北米地域以外の映画市場をはるかに上回る利益を、中国で得るようになった」と同氏は語った。
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