「強大化した国は必ず暴れる」との論理を排除しなければならない
経済規模の拡大を続ける中国はどのような国際戦略を遂行するのだろうか。第2次大戦前の日本のように「大国化すれば必ず覇権を唱える」「強大化したがゆえに暴れる」のだろうか。これは周辺国が懸念する問題である以上に、中国が先行して考え、解決しなければならない戦略上の問題だ。(文:林利民・中国現代国際関係研究院研究員。環球時報掲載)
日本は明治維新後、富国強兵路線を歩み、世界の6大国の1つとなった。だが強大化した日本は中・下層の日本人の生活改善や人類文明への貢献に力を尽くさなかっただけでなく、蓄積した国力を用いてアジアの隣国を侵略した結果、国力を消耗し、四面楚歌となり、壊滅的失敗にいたった。第2次大戦後に再び台頭した日本は「強大化したがゆえに暴れ、暴れたがゆえに衰退する」という歴史的教訓をそれでもなお汲み取らず、今回の釣魚島(日本名・尖閣諸島)事件で持病を再発している。日本の一部政治屋は中国政府の指導部交代と南中国海問題の激化の機を利用して「島購入」ゲームを弄した結果、中国人民の怒濤の反日を招いたうえ、海峡両岸の「釣魚島防衛」活動家の暗黙の連携、そして各国人民から相手にされない中で、「強大化したがゆえに暴れる」から「こぶしを引っ込める」へと転向せざるを得なくなった。
今回の釣魚島事件で中国が割合有利な段階的成果を上げられたのは、武力を頼みにしたからではなく、中日間のパワーバランスの変化によって形成された「勢」および中国の台頭によって形成された「勢」のおかげである。甲午戦争(日清戦争)以来、中国は初めて中日関係において総合的実力によって「優勢」に立った。そのうえ今後5-10年で、中国は経済規模で日本の2倍に達する可能性があり、日本に対して一段と有利な「態勢」を占める。経済規模が日本の2倍以上になった中国がどのような国際戦略を遂行するのかが、周辺国および中国自身にとって重視しなければならない戦略上の大きな問題となることは明らかだ。