日本企業 中国を離れて低迷から抜け出せるか(下)
▽日本企業が中国から離れる?
釣魚島(日本名・尖閣諸島)事件を受けて、日本は中国市場に過度に依存する状態を徐々に変化させている。たとえば、日産自動車は2012年度の世界での生産台数目標をこれまでの535万台から508万台に下方修正し、中国市場では目標台数を約半分の17万5千台に減らした。ホンダは今年度の日本での販売台数目標を、これまでの目標を16%上回る85万台に引き上げることを検討中だ。レアアース(希土類)の分野をみると、これまで中国のレアアース資源に頼りきりだった日本企業が、中東や東南アジアの国に目を向け始め、合弁、出資、あるいは直接輸入するなどの方法で中国以外の国のレアアースを導入するようになっている。
これからの日本企業は、特に自動車産業や電子産業の日本企業は、生産能力を徐々に東南アジア諸国に移転させ、中国市場から離れていくとの見方もある。それでは日本企業は本当に中国市場に関心を寄せなくなるのだろうか。
北京正略鈞策企業管理諮詢有限公司の王丹青パートナーによると、日本企業は中国市場から撤退せず、中国市場での製品販売をこれまでよりもっと重視するようになるという。中国からの移転が計画される日本の生産能力は、主に生産段階に集中している。一つには中国での民族的感情の高まりという要因があり、またより重要な実際的要因として中国でのコスト上昇が、とりわけ人件費の上昇があり、こうした要因によって日本企業は生産能力を中国以外の国へ移転する計画を立てるようになった。生産コストなどの要因があるため、たとえ釣魚島事件が起きなかったとしても、日本企業は必ず調整を行ったと考えられる。なんといっても、中国地域にはもはや低廉な労働コストによる競争上の優位というものは存在せず、今では東南アジア地域が労働コスト面で高い競争力を備えているからだ。