日本車を破壊した中国人男性2人に実刑判決
釣魚島(日本名・尖閣諸島)をめぐる中日両国の衝突がますます緊張化するにつれ、中国人の反日感情も再燃している。昨年、江蘇省無錫市江陰市の2人の若者が、愛国という名のもとに他人の日本車を破壊、約4万元の損失をもたらした。江陰市人民法院は16日、器物損壊罪で、銭被告に懲役3年9カ月、曹被告に同3年の実刑判決をそれぞれ下した。中新網が伝えた。
2012年9月18日夜、銭被告は小さなバーで酒を飲み、酔っぱらった状態で明け方に店を出た。道路わきに止めてあった1台のトヨタ車を見た銭被告は「愛国だから捕まっても大したことにならない」と日本車の破壊を提案。当時、緊張が増していた釣魚島問題が原因で、日本車の破壊行為が中国全国で頻発していたこともあり、もう一人の曹被告はただちに同意。2人はトヨタ車のサイドミラーを蹴飛ばした。トヨタ車1台だけ壊しても気が晴れなかったため、銭被告は、団地内でほかの日本車も壊そうと提案。「捕まっても問題にはならない」と請け負う銭被告の言葉に安心し、曹被告も銭被告とともに団地に向かった。銭被告は通りすがりに、車の破壊に使おうと地面に置ちていた竹を拾った。団地にやってくると、2人は、止めてあった日本車をことごとく竹で打ち、脚で蹴った。人民警察が現場に到着したとき、2人は13台の日本車を壊していた。
日本車を壊している最中の両被告は、すこぶる強気で大胆、「日本製品を攻撃することは愛国心の現れ」と開き直っていた。しかし、法廷審理の場では、銭被告は、裁判官の質問に対し、「お酒を飲みすぎ、詳しいことは覚えていない」と答える場面が多かったという。過ちを指摘され咎められた両被告は、ついには自分の誤りを認め、法廷で自らの意思で罪を認めた。
審理を担当した裁判官は、「2012年下半期以降、釣魚島問題が過熱し、中国国内の反日感情は高まる一方となった。愛国精神を掲げる者は、何よりもまず、理性を重んじ法を守ることを心がけねばならない。破壊された日本車は、所有者の私有財産だ。たとえ愛国心の名のもとであっても、他人の私有財産を破壊するような行為が、法の下で裁かれるのは、当然である」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年1月17日