日本の教員はなぜ頻繁に精神病を患うのか?
NHKの2012年年末の報道によると、日本全国の公立の小学校から高校の職員約92万人を対象に行われた調査で、昨年度うつ病などの精神疾患で休職した教員は約5300人に上り、病気による休職者の62%を占めることが分かった。精神疾患で休職した教員は4年連続して5000人を超え、10年前の2倍の数に上っているという。中国のウェブサイト「中国青年在線」が報じた。
■厳しい採用条件 教員になった後も審査の連続
日本では教員になるための競争率は以前から非常に高い。日本の公立の小・中・高校の教員は必ず大学で学歴を取得し、文部科学大臣が認定した課程において所定の教科及び教職に関する科目を合計160-180単位修得して初めて教員免許状を得ることができる。また、教員免許状の取得後、各地方自治体が行う教員採用試験を受けなければいけない。この試験には、筆記試験や体力検査、面接試験などが含まれる。これ以外に年齢制限ももう一つの厳しい条件となる。都・道・府・県の半分以上で申請者の年齢は30歳以下と規定されている。これらの難関を越えて採用された後、各学校に配属される。
しかし教員になった後も、決してうかうかとはしていられない。なぜなら、絶え間なく「審査」を受け続けなければいけないからだ。新しく入った教員は学校と専門家の監督の下、20日間の研修を受け、研究グループの会議にも参加して教育方法や課程の内容などの問題を討論しなければいけない。何年間か教員を務めた後でも、定期的に訓練センターで研修を受けなければいけない。中学・小学校の教員は5-7年ごとに学区内で出来る限り大きな異動をしなければいけない。審査で不合格となった教員は、政府の教育委員会が特別研修を行う。もし研修後も改善が見られなければ、それらの教員に「転職」をさせ、地方自治体部門の仕事に就かせる。
■高尚な名声、通俗的な仕事
日本では教員は非常に高い社会的地位があり、弁護士や医師と同様、「先生」という敬称で呼ばれる。また、日本は過去数十年間で絶えず教員の給与を大幅に上げてきた。入ったばかりの高校教員の初任給は同じ時期のサラリーマン社員より15%程高い。給与以外にも、日本の教員には多くの特別手当や計約5カ月分の給与に当たる年に2度のボーナスなどが支給されるほか、退職後には手厚い退職金と福利厚生が得られる。
しかしこれと同時に、日本人は、教員はこれだけ高い社会的地位を得ているからには、より高い道徳水準とより大きな仕事のプレッシャーを受けるのが当然であると考えている。
教員は授業を行う前に、教科書に書かれている内容よりもずっと多くの書き込みや分厚い授業計画を準備しなければならず、また授業後にも詳細なまとめをレポートしなければいけない。授業中は、一人の教員が教壇に立って授業を行い、もう1人の教員は教室の後ろに座り、サポート役として教科書や文具を忘れた児童・生徒やその他の突発的な状況への対応を行う。児童・生徒が長期休暇に入っても、教員は学校でデスクワークを行い、授業計画の研究や研修に参加する。病欠や私用で休んだことで授業の進度に遅れが出た児童・生徒に対しては、勤務時間外でも単独で補習を行う義務がある。また、退勤後に自主的に児童・生徒の家庭を訪問するのも教員の仕事の一部だ。さらに大変なのは、日本の中学生の授業中の規律はあまり厳しくなく、生徒たちが授業中に騒いだり、大きな声を上げても、教員は変わらず冷静な態度を保つことを求められる。
しかし、いくら尊敬されても、ここ近年、教員の評判は下がる一方だ。半分以上の教員は教員という職業にあまり「誇り」を感じておらず、むしろお金を稼ぐために汗水を垂らして働く普通の労働者だと認識している。