中国との協力こそ日本が歩むべき正しい道
近年の中日関係はしばしば「政冷経熱」(政治関係は冷え込んでいるが、経済関係は熱い)という言葉で形容されてきたが、現在はこの表現がすでに当てはまらなくなっている。中国商務部(商務省)は9月13日、北京で「日本政府による釣魚島(日本名・尖閣諸島)『国有化』が両国の経済関係に影響を与えることは免れない。この問題において、両国ともに引き下がることはありえない」と表明した。一方、両国の経済発展モデルから見ると、関係悪化に対する柔軟性は中国経済の方が強いとする見方もあり、安倍晋三氏の首相就任に伴い、関係改善に向かうことが期待されている。中国紙「法制晩報」が伝えた。
■巨大市場を背景に余裕の中国 日本は成長の支えを失う危機に
米ハーバード大学東アジア経済研究所のドワイト・パーキンス教授は記者の取材に対し、「釣魚島問題が中日関係を損なうかどうかは、現時点ではまだはっきりしない。だが、どちらにせよ、この問題が両国間の経済全体に与える影響は一時的なものだといえる」と指摘。
中国国家情報センター経済予測部の米建偉氏と陳強氏は、関係悪化に対する柔軟性は中国経済の方が大きく、機敏な対応が取れる。大きな国内市場を持つ中国は内需刺激や輸出先の多様化を図ることで中日貿易の穴を埋められるのに対し、典型的な外需依存型である日本は、成長を支える最大の輸出市場を失うことになると指摘する。
低迷する日本経済とは対照的に、中国経済は今まさに「成長期」から「成熟期」への過渡期にある。潜在的な内需市場は大きく、国債残高が国内総生産(GDP)に占める比率は国際的な警戒ラインとされる60%を下回る約40%。外需が低迷しても、短期的には投資家の信頼感向上や消費の刺激、長期的には所得分配や産業高度化、市場化改革などの問題解決に取り組み、長期的視野と短期的視野を合わせた根本的な対策を講じることができれば、中国経済は中日危機の影響を受けずに成長していけるという。