何度か黙り込んだ韓国だが、ついに声を発した。さきの定例の利下げが第一歩で、今後は大規模な財政支出という大きな手を打った。グローバル貿易が逆風期に突入するにつれ、輸出を中心とする韓国は真っ先に被害を受け、これに隣国の日本との衝突の悪化が加わり、このような大きな手を打ったことは決して意外ではない。捨ててこそ得られるものもあり、グローバル貿易という大きな網の中で、どの国も自分たちだけうまくやるということは不可能だ。「北京商報」が伝えた。
8月29日、韓国は正式に大規模な対策を打ち出した。午前9時、韓国政府は2020年度予算案を閣議決定し、規模は513兆5千億ウォン(1ウォンは約0.09円)で、前年比9.3%増加した。08-09年に世界金融危機を経験した時以来の最も「過激」な予算案であり、財政支出は2年連続で9%以上増加した。
具体的にみると、予算12項目の中では産業、中小企業、エネルギーへの投資額の増加率が最も高く、前年に比べ27.5%、23兆9千億ウォン増加し、財政支出の各項目の中で増加率が最高だった。次に、雇用創出への支出が同21.3%、25兆8千億ウォン増加した。雇用創出を含んだ衛生、福利厚生、雇用関連の予算が181兆6千億ウォンに達し、総支出に占める割合が35.4%に上昇し、過去最高を更新した。
支出が増加したが、収入が同じペースで増加しない見通しだ。韓国紙「亜州日報」は、「増加した財政支出に比べ、来年の韓国政府の税収の見通しはそれほど楽観的ではない。韓国政府の予想では、来年度の財政収入は482兆ウォンに達する見込みだが、前年比1.2%の増加に過ぎない」と指摘した。
大規模な支出にともなってやってくるのは、過去最高の財政赤字だ。韓国政府の予想では、財政赤字の国内総生産(GDP)に占める割合は今年度の予測値の2.2%から、次年度は3.6%に上昇して、09年以降の最高を更新するという。
韓国はさまざまなプレッシャーを受けながら、決意し、準備をしっかりしてきた。財政赤字問題に対応するため、企画財政部は来年度は60兆2千億ウォンの国債発行を承認するよう議会に求め、実現すれば記録的な国債発行規模になり、今年の33兆8千億ウォンのほぼ2倍になる。
韓国が大きな手を打った原因は簡単なことで、グローバル貿易が低迷期に入る中、韓国経済も絶えず落ち込んでいるからだ。昨年12月から今年7月まで、輸出は8ヶ月連続で減少した。7月の輸出は同11%減少し、中でも主力製品の1つの半導体の輸出額が同28.1%減少と大幅に減った。また石油化学製品と石油製品の減少幅は10%を超えた。