抹茶アイス、抹茶ケーキから抹茶チョコまで、東洋の独特の味わいである抹茶味が今、世界的に流行している。国内市場が徐々に縮小する日本の抹茶産業は、この世界的流行によって救われるかもしれない。「環球時報」が伝えた。
フランス通信社(AFP)の28日付報道によると、日本の中部地方にある鈴木茶店は、元々は機械を使わず茶葉を手もみして製茶する地元の小さい店だったが、今では毎年、米国、欧州、アフリカ、アジア、中東に緑茶30トンを輸出する。日本の公式統計によれば、日本の昨年の緑茶の対外輸出量は5千トンに達し、20年前の10倍になった。主な輸出先は米国だ。こうした動きと同時に、日本国内の緑茶消費量は減少を続け、2001年は世帯当たり1174グラムだったのが、15年は884グラムに減り、本当に日本人の緑茶離れが進んでいる。緑茶消費量が減少した原因は、日本人がペットボトルのお茶を飲むようになり、急須でお茶を入れるのを面倒だと感じるようになったことだ。
今ではお茶を飲むのは60歳以上の高齢者が多い。日本の業者は新しいタイプの茶飲料によって若い人を呼び込みたいとしており、マンゴーなどのフルーツ風味の緑茶を開発したところもある。有名企業の「西条園」は抹茶と抹茶を使ったお菓子を専門に手がかける会社で、抹茶の生産量日本一の愛知県西尾市にある。ホームページなどによると、抹茶は最近、海外で注目されている、茶葉まで飲める健康食品だという。しかし日本国内では自分で入れるための抹茶のニーズが減少を続ける。その一方で、海外で抹茶を売っている店に行けば、同社の製品が置いてある可能性があるという。
日本人が一番よく飲むのは緑茶だが、煎茶市場の現状も決して楽観できるものではない。静岡県は日本の有名な煎茶の産地だが、近年は消費市場が低迷している。日本の茶生産者協会がまとめた統計データをみると、煎茶の平均価格は1キログラム1400円で、抹茶の平均販売価格は同3100円だ。静岡圏のお茶農家は苦戦しており、煎茶から抹茶の生産に切り替えたいとしているが、モデル転換は決して容易ではなく、少なくとも数年はかかるという。
しかし抹茶の生産量を拡大すれば日本のお茶産業をすぐに救済することができるのか。鈴木茶店は取材に答える中で、「抹茶は世界を席巻しているが、世界中で生産されており、日本が唯一の生産国ではない。自分たちは世界との競争に直面している」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年9月2日