中国ではナイトタイムエコノミーの重要な構成部分である夜間の飲食消費の状況に今、注目が集まっている。気温が上がり過ごしやすい時期になったことも、夜間飲食消費が伸びる要素になり、北京では、5月1日のメーデーに合わせた4連休中の夜間の飲食消費が絶好調に。実店舗とデリバリーとも夜間の注文が顕著な増加をみせた。取材によると、今年、北京の夜食市場では、新たな変化や動向が見られ、同市場に参入する飲食企業が増え、それが北京のナイトタイムエコノミーの発展において重要な役割を果たしていることが分かった。北京商報が報じた。
夜食市場が絶好調に
デリバリープラットフォーム「餓了麼」の統計によると、5月1日のメーデーに合わせた4連休中、北京の夜間の飲食消費の状況は昨年と比べて大きく変化した。例えば、飲食消費の時間帯を見ると、消費者の食事の時間が長く、遅くなっており、夜10時から翌午前1時までの時間帯の注文件数が顕著な増加をみせた。また、同時間帯の消費が注文全体に占める割合も約6ポイント上昇した。
その他、消費者の構造を見て見ると、5月1日のメーデーに合わせた4連休中、夜食市場の主力だったのは北京市民で、他の地域から来た旅行者による注文が注文全体に占める割合は2割にとどまった。この数字は重慶や廈門(アモイ)などの他の人気観光都市とは少し異なっている。
しかし、昨年と比べると、旅行者の数が占める割合(他の地域から来た消費者の数/夜食消費者の総数)は少し下がったものの、同部分の消費グループの北京の夜間の飲食消費の成長に対する寄与率は、北京市民と比べても遜色なく、両者共に2割以上の上昇となったことは注目に値する。
夜間の飲食で人気の料理を見てみると、火鍋と肉の串焼きが最も人気で、全体に占める割合は火鍋が22.6%、肉の串焼きが9.3%となっている。以下、四川料理、香鍋、焼き魚など味の濃い料理のほか、ミルクティーやコーヒーなどの飲み物が続き、市場で占める割合はいずれも4%以上となっている。
その他、観光シーズンを迎えている北京の各人気観光スポット付近の夜食デリバリーの注文数も大幅に増加している。餓了麼と現地密着型生活サービスプラットフォーム・口碑の統計によると、円明園、大■欄(■は木へんに册)、玉淵潭公園などの北京の観光スポット付近の夜食デリバリー注文数が前年同期比5割以上増となっているほか、故宮の周辺、南鑼鼓巷、雍和宮などの付近の夜食のデリバリー注文数も顕著に増加している。
夜食市場に参入するブランドが増加
火鍋チェーン店「呷哺呷哺」傘下の高級火鍋ブランド・湊湊が先月、ザリガニ市場に参入して業界内で大きな話題となった。創業当初から夜食市場に力を注ぐ決意を表明してきた湊湊は、ザリガニ料理のオンシーズンである夏を迎える前に、ザリガニ鍋を発表した。ある飲食業界関係者は、「ザリガニは、北京の夜食市場で大人気で、毎年、そこに参入する企業が現れる。同市場参入の主な目的は、夜食市場の開拓だ」と分析する。