国際学術シンポジウム「国際情勢変動下の中日関係:実務協力と未来展望」(主催:中国社会科学院、運営:中国社会科学院日本研究所)が12日、北京民族飯店で開催された。人民網が伝えた。
開幕式では中国の戴秉国元国務委員、日本の福田康夫元首相、中国社会科学院の謝伏瞻院長、日本の横井裕駐中国大使がそれぞれ基調演説を行った。
戴氏は「中日関係が正常な軌道に戻り、徐々に改善する勢いを大切にし、維持し、推進するには、第1に政治的相互信頼をしっかりと強化する必要がある。『互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない』という政治的共通認識を真に実現する必要がある。第2に包括的協力を大いに発展させる必要がある。中日間の経済・貿易・科学技術協力を充分に実施するとともに、政治・安全保障面の欠陥を補うべく努力し、二国間協力を推進するとともに、国際情勢の変動に連携して対処し、国際秩序の良好な発展を後押しし、共同で保護貿易主義を阻止し、多角的貿易体制を維持する必要がある。第3にアジア文明を継承し、発揚する必要がある。中日両国にはアジアの各文明の国と共に東洋の知恵を継承し、発揚し、東洋の価値観を共に探り、アジア運命共同体と人類運命共同体の構築にしかるべき貢献をする責任がある」と述べた。
福田氏は「日中両国は共に激しく変化する国際情勢に直面している。中国はすでに米国同様に世界の発展をリードする重要なパワーとなっている。中国への世界の注目は日増しに高まっており、中米貿易問題の行方は世界に影響を与えている。日本も国際情勢の変動の中でどう役割を発揮するかを積極的に考えている。この肝心な時期において、各者は情勢を正確に見て、誤った判断を避けなければならない。過去に日本も米国と貿易摩擦が生じ、複雑で困難な対米協調過程を経験した。現在の中米も似通った問題に直面している。中国側が日本側の経験と教訓を汲み取り、危機を機会に変え、積極的な心構えで情勢変動に対応し、自らの発展を推進することを希望する」と述べた。
謝氏は「中日両国にとって現在最も肝要なのは、関係改善の『勢い』をしっかりと捉え、安定した連動モデルの『型』を積極的に築き、中日関係のより永続的で深い内在的原動力を培い、外的要因による妨害と打撃を可能な限り減らすことだ。第1に、問題に向き合い、中日関係が新たな共通認識をより多く積み重ねていくために、枯渇しない原動力を提供する。第2に、粘り強く続け、妨害を排除し、中日関係が協力の新局面を切り開くために、良好な雰囲気を醸成する。第3に、形式を革新し、制度を強化し、中日関係が新たな発展を得続けるために、着実な基礎を固める」と述べた。
横井氏は「日中関係改善の勢いは明らかであり、新たな発展も迎えている。日本はすでに『令和時代』に入り、日中関係もこの時期に良いスタートを切った。今年に入り、日中間では上層部相互訪問、経済対話、地方交流が頻繁に行われ、第三国市場協力に大きな進展があり、日中は協力する中でさらに息が合ってきている。日本側は今後『一帯一路』が先導的役割を発揮し、地域及び世界の繁栄に貢献することを期待している」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年5月13日