国務院関税税則委員会は3日、米国からの一部輸入品に対する第2弾の追加関税措置を発表した。専門家は「中国側の対抗措置は世界貿易機関(WTO)加盟国としてのわれわれの合法的権益を守るためであり、多角的貿易体制を守り、グローバル・バリューチェーンの正常な運用を守る合法的措置だ。対抗措置が国内に余り大きな打撃を与えることはない。われわれには経済の安定的で健全な発展を維持する自信と能力があり、その条件も備えている」と指摘する。
■中国側の4段階税率対抗措置は理性的かつ自制的
米政府は7月11日、約2000億ドル相当の中国製品に対する10%の追加関税措置を発表した。8月2日、米通商代表は追加関税率を10%から25%に引き上げる考えを発表した。こうした米側の措置に対して、国務院関税税則委員会は国務院の承認を経て、米国からの輸入品5207品目・約600億ドル相当に対して25%、20%、10%、5%の4段階の追加関税を課す決定を発表した。国務院関税税則委員会は「米側が独断専行し、追加関税措置を実施した場合、中国側はこの追加関税措置を直ちに実施する」とした。
「米側はWTOルールに深刻に違反し、グローバル産業チェーンと自由貿易体制を破壊し、再び貿易摩擦を一方的に激化させた。これは典型的な貿易的恐喝だ」。中国国際経済交流センターのチーフエコノミスト・陳文玲氏は「中国側は対抗措置を果断に打ち出したことで、米国の貿易的恐喝に対して断固反対し、対抗し、反撃する決意を示した」と指摘する。
「中国政府の打ち出した対抗関税措置は受動的状況での貿易救済手段であり、米国の保護貿易措置がもたらすマイナスの影響を緩和し、国家と国民の利益を守るためだ。同時にこれは、保護貿易主義に反対し、多角的貿易体制を守るわれわれの決意も示した」と、中国農業大学経営学院国際経済研究所の李春頂所長は指摘する。
■中国は貿易圧力に抗する能力を強化しており、今後も安定的成長が期待できる
「中国の打ち出した対抗措置が国内に余り大きな打撃を与えることはない」。陳氏は「対抗措置は中国の国民と企業に対する影響を十分に考慮したうえでのものだ。また、対抗措置で増えた税収は、主に企業及び従業員への影響緩和に充てられる」と指摘する。
「われわれには経済の安定的で健全な発展を維持する自信と能力があり、その条件も備えている」。中国国際貿易学会専門家委員会副主任の李永氏は「中国経済は安定しており、上半期のGDP成長率は6.8%に達して、12季続けて中・高速範囲内の運営を維持した。市場は十分に大きく、GDP成長に対する最終消費支出の寄与率は78.5%だ。これと同時に、中国は改革開放を揺るぎなく推し進めている」「市場参入の大幅緩和、『一帯一路』共同建設の縦深発展の推進、第1回中国国際輸入博覧会の成功に尽力。こうした重大な決定や重要な措置は、経済発展の新たな活力を引き出し、新たな原動力を生じさせ、数多くの国民にもさらに多くの獲得感をもたらす」とする。
商務部研究院国際市場研究所の白明副所長は「世界金融危機など一連の重大な試練を経て、中国は外的環境の変化がもたらす試練に対処する豊富な経験と能力をすでに備えている。現在、国内市場が広大で、都市化が加速していることが、中国が外的リスクを防ぎ止め、貿易摩擦による打撃を消化するうえで有利な条件をもたらしている」と指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年8月7日
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