文学部門審査委員の所感:
前回と比べたら、数が少なくなったが、全体から言えば、質がむしろ高まったような気がします。
文学部門の応募論文は全部で8本で、そのうち、古典文学研究論文2本、近代文学の論文2本、現代テーマの論文4点です。
研究テーマはさまざまあり、古典研究に勅撰和歌の考察、賀茂真淵の復古国学、尊王思想による国家神道への影響もあり、近代研究に萩原朔太郎の詩の音楽性、宮崎駿映画における森を通して環境問題、青山七恵文学の女性成長の軌跡、東野圭吾の推理小説における人間性、バラレルワールト観から見る安部公房の文学などもあります。テーマ選択の多様性と現在の日本学部生の関心の視点も伺えます。
学術規範(先行研究、参考文献、注釈など)、独創性のある見方、論理整合性や日本語の表現力の面は例年よりある程度の進歩を見せています。
一部の論文の論述は表面だけのものに触れて、論証不足で、説得力が欠けています。研究テーマで選択も学部生なりの対象にしたほうがよく、あまりにも難しい思想問題を避けてほしいです。
来年、もっと素晴らしい研究論文を審査できるよう期待しています。
譚晶華 上海外国語大学教授
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