中国電子視像行業協会と、ビッグデータを応用したマーケティングなどを手掛ける奥維雲網(AVC)がこのほど共同で発表した「2017年第一四半期(1-3月)中国テレビ市場総括報告」によると、第一四半期、中国のテレビの販売台数は1179万台と、前年同期比5.2%減少し、テレビメーカーの赤字が目立った。経済日報が報じた。(文/周明陽)
業界全体が大苦戦する中、国外ブランドであるシャープは、流れに逆行するかのように好調となった。AVCが総括したデータによると、同期、外資系ブランドが市場で占めるシェアは16.2%と、前年同期比で5.8ポイント上昇した。うち、シャープの売り上げは同比42.6%増となった。
ここ数年、シャープのパネルとテレビ業務は衰退した。そして、テレビ業務は、欧州や北米から撤退し、中国市場における地位も日に日に影を潜めていた。しかし、昨年、富士康科技集団(フォックスコン)がシャープに出資して以降、業績は改善され始めた。現在の市場における状況を見ると、シャープが占めるシェアは上位に名を連ね、ネット通販の売り上げはトップに立ち、ハイエンド新商品も発表している。富士康のバックアップを得て、シャープは中国市場において再び水を得た魚のように勢いを取り戻している。
富士康とシャープがタッグを組み、資源を統合して互いのメリットを組み合わせることで、老舗企業が新たな活力を得た。つまり、中国の企業の「海外進出」は、単に商品を海外に売ったり、海外の企業を買収したり、投資により合併したり、海外の最先端技術に学んで自分たちの短所を補ったりするというだけでなく、海外の企業に「エネルギーを注入」するというスタイルも加わり、中国企業は相手に与えるという能力をすでに備えるようになっている。そのようなスタイルは、イノベーションや発展の環境、アイテムを海外へ進出させるのに役立つ。
シャープは、液晶ディスプレーやプラズマクラスターイオンなど、多くの分野で大きな優位性を誇っているものの、近年は投資の方向性やイノベーションの活力、収益力、商業化能力などの面では、他のメーカーに劣っており、優れた理念を採用し、ノウハウを方向転換させることが急務となっていた。一方の富士康は、商品の開発設計や製造、コストマネジメント、垂直サプライ・チェーンの最適化などの面で大きな優位性を誇っている。その富士康のサプライ・チェーンに加わったシャープは、中国市場での発展を妨げていた障害を克服した。
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