ベッサラー博士は、「今後、国際調査委員会あるいは海外の研究者が、福島原発事故による影響に関する長期的な研究を展開しなければならない。特に、独立した第三者機関による調査が必要だ」と強調した。
民間環境NGO「FoE Japan」の満田夏花・理事は、日本政府が福島の原発避難者の帰還政策を加速していることに大きな不安を感じている。同政策によると、遅くとも来年3月までに、政府は福島原発周辺の「居住制限区域」など放射能汚染エリアの居住禁止令を全面的に解除する予定で、5万5千人の避難者が対象となる。また、避難者の帰還を促進するため、当局は2018年3月までに、これらの避難者に対する補助金の支給を打ち切る方針という。
放射能漏れ事故の原因は、いまだに明らかにされておらず、事故の責任追及もあいまいなまま、放射能汚染リスクは決して下がっていない。このような状況にも関わらず、原発避難者を汚染されたままの故郷に返すことなど、どうしてできようか?「FoE Japan」の満田理事は、「政府が災害復興という旗印のもとで実際にやっていることといえば、放射能汚染の被害者を見捨てることに等しい。そうやって、健康に対するリスクの真相を消し去ろうとしている」と怒りを露わにして訴えた。
「このような復興政策は、『人を人とも思わない』復興だ」と満田氏は締めくくった。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月25日