薛逸凡さん
2年前、白衣と黒い学士帽を身に着けた薛逸凡さんはカメラの前に立った。笑顔を作る前にシャッター音が響き、彼女の4年間の大学生活にピリオドが打たれた。当時、カメラレンズの前で厳粛な面持ちを見せた薛逸凡さんは、この1人だけの「北京大学2010年入学古生物専攻記念写真」によって、数日も経たずに自分がネットで噂の人物になるとは全く予想していなかった。人民日報の公式微信(Wechat)アカウントが報じた。
「今年6月、卒業写真を撮影する時には、私も1人です」-薛逸凡さんの後輩で、今年北京大学古生物専攻を卒業する安永睿さんも、同専攻を卒業する唯一の卒業生となる。
毎年卒業生がただ一人という状況の北京大学古生物専攻は、中国の大学教育においても極めてまれな存在となっている。まためぐって来た卒業シーズンにあたり、薛逸凡さんは、「古生物専攻者は、現在、さまざまな業界で活躍しており、前途洋々だ。古生物やその他のマイノリティー専攻が大いに話題に上り、人々に珍しいものと見なされなくなる日が来ることを望んでいる」とコメントした。
記者が2年ぶりに薛さんにコンタクトをとったところ、彼女は米カーネギーメロン大学システム生物学で修士課程を修了、博士候補生となっていた。4月14日、彼女は米ピッツバーグ大学医部バイオ医学情報学専攻博士課程に入学した。研究テーマは、癌細胞の生体電気信号ネットワークで、下半期から博士号学位取得に向けて研究をスタートする。