2016年3月30日  
 

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中国市場でも厳しい、キャノン経営転換危機

人民網日本語版 2016年03月30日08:49

スマートフォンのカメラ機能の高性能化につれ、カメラ業界の巨人であるキャノンは経営転換せざるを得なくなっている。近日、キャノンは総額6655億円で東芝傘下の医療設備部門を買収することを正式に発表した。カメラと複合機業務だけへの依存から脱却することが目的だが、業界内では記録を更新するほどの買収額もやむを得ないとの声も聞かれる。専門家は、キャノンの中国等海外市場への依存性は非常に強く、一旦経営転換を誤ると、コダックの二の舞になると警鐘を鳴らす。北京商報が伝えた。

高すぎた買収額

近日、キャノンと東芝は、キャノンが6655億円で東芝傘下の医療設備部門を買収することを正式に発表、買収総額はキャノンの記録を更新した。

60億ドル近い買収額に、「キャノンはカモにされたようなもの」だと業界内で囁かれている。マッコリー証券のエコノミストは、キャノンが提示する価格が本当に62億ドルを超えたのであれば、東芝にとってはこの上ない朗報だ述べ、東芝のこの資産は35億ドル前後しか売れないのでないかとした。日本のある証券アナリストも、60億ドルは高すぎるとの見方を示した。

東芝医療を買収する理由と今後の経営統合についてキャノン中国の広報関係者は、現在本社の関連資料は届いておらず、社内規定と法律に基づき答えることはできないとした。

しかし、キャノンが東芝医療を買収したのは中国の今後の巨大な市場を見据えているためとする専門家もいる。英調査会社のEspicomによると、中国の医療機器市場は2017年に330億ドルに達し、米国に次いで世界第二の市場になるという。キャノンのライバルであるオリンパスのアジア太平洋地域での医療事業の売り上げも、中国が半分の貢献を果たしている。

もはや「溺れる者がつかむわら」にはならない中国市場

キャノンにとって中国が最も重要な市場の一つであることは疑いの余地はない。2008年の金融危機後、キャノンの2009年のグループ全体の売り上げは前年同期比21.6%減となったが、後に着任した御手洗富士夫社長は中国市場を自らの「溺れる者がつかむわら」とし、当時の中国の高度成長期のデジタルカメラ市場に乗じて奇跡的な業績回復を実現した。


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