中国は25日、石油製品の価格調整のタイミングを迎えた。最近、国際原油市場に「ブラックスワン」(黒い白鳥、想定外の出来事の意)がたびたび姿を現すことから、国際原油価格は上昇を続け、年内の最高を更新している。このため中国の石油製品価格は「3周期連続の引き上げ調整」になることが確実だ。人民日報が伝えた。
今回の価格調整までの周期に、国際原油市場にはブラックスワンがたびたび飛来した。カナダの大規模森林火災が現地のオイルサンド(油砂)の生産に大打撃を与え、ナイジェリアの油田は原油生産量が過去22年間で最低の水準に落ち込み、ベネズエラは情勢が不安定なため原油の生産が低迷……こうしたさまざまな想定外の出来事の影響で、国際原油価格は上昇を続けている。業界の研究機関は、「中国では石油製品の価格調整のタイミングが再びやって来るが、3周期連続の引き上げ調整になることは確実だ」との見方をするところが多い。
新華社の石油価格システムが23日に発表したデータによると、今月20日の原油加重平均価格の変化率は6.43%だった。
中国の石油製品の価格調整は国際市場の価格と密接に連動する。今年の国際市場の原油価格は開始当初より低迷し、2月には12年ぶりの低水準に落ち込んだが、その後は上昇に転じて現在に至る。目下、ニューヨーク原油相場の年内の累計上昇率は29%、ブレント原油相場の同上昇率は30.7%に達する。
今年1月13日より、国家発展改革委員会は国内の石油製品価格の調整における下限を設定し、国際市場の原油価格が1バレル40ドル(約4370円)を下回った場合、国内の石油製品価格の引き下げを行わないとした。年初以来、中国の石油製品価格は調整のタイミングを9回迎え、引き下げが1回、引き上げが2回、据え置きが6回だった。ガソリ1トンあたり価格は累計で145元(約2417円)値上がりし、ディーゼル油は140元(約2334円)値上がりした。