ノーベル賞シーズンが来るたびに、世界のあちこちで予測の嵐が吹き荒れる。世界的に有名なブックメーカー(賭け屋)である英ラドブロークスとユニベットはこのほど、今年の受賞者を予測するオッズを発表した。文学賞の掛け率トップは村上春樹氏。注目すべきは、中国の詩人・北島氏のランキングが上昇していることで、英ラドブロークスで第8位、ユニベットでは第11位に入っている。西安晩報が伝えた。
〇村上春樹氏、今年も「落選」か?
「最も悲壮な」ノーベル文学賞候補と言われる日本の著名作家・村上春樹氏は、今年で6年連続ノミネートされた。村上氏は、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」など多くの流行作品を世に送り出している。
村上氏は今年も、世界最大のブックメーカー・英ラドブロークスによるノーベル文学賞受賞者予想オッズで首位に立っている。南開大学文学部の陳鵬・准教授は、「過去に何度も受賞を逃してきた村上氏だが、今回も危ないのではないか」との見方を示している。
〇中国の詩人・北島氏が掛け率ランキング上位に
掛け率ランキングで上位にいる作家ほど、倍率が低い。これは、ノーベル文学賞受賞の可能性が高いというブックメーカーの予想を示している。ブックメーカーのノーベル文学賞受賞者予測は、2004年から2006年まで3年連続で的中した。注目すべきは、今年、中国の詩人・北島氏のランキングが急上昇したことだ。同氏はこれまでも、ランキングの常連だったが、順位はいつも30位以降だった。しかし、今年、ブックメーカー2社はそれぞれ、北島氏の順位を第8位と第10位に引き上げた。
北島氏は、本名・趙振開、1949年生まれの中国現代詩人。氏の作品は、「文化大革命」後、カオス状態から目覚めた当時の若者世代の心情を反映している。著作には、詩集「太陽城札記」「北島詩選」、散文集「失敗之書」「青灯」「藍房子」「午夜之門」「城門開」などがある。