歴代ノーベル文学賞受賞作家 何人知っている?
●2004年、オーストリアの小説家・エルフリーデ・イェリネク。
受賞理由は、「豊かな音楽性を持つ多声的な表現で描いた小説や戯曲によって、社会の陳腐さや抑圧が生む不条理を暴いた」だった。主な作品に「ピアニスト」(1983年)や「死者の子供たち」(1995年)などがある。
●2005年、英国の劇作家・ハロルド・ピンター。
受賞理由は、「劇中で、日常の対話の中に隠されている危機をあらわにし、抑圧の閉ざされた空間への通路を押し開いた」だった。主な作品に、「バースデイ・パーティ」(1957年)や「管理人」(1959年)などがある。
●2006年、トルコの作家・オルハン・パムク。
受賞理由は、「故郷の都市の陰鬱な魂を求める探求の中で、文明の衝突と混在の象徴を見出した」だった。主な作品には「私の名は紅(あか)」(1998年)や「イスタンブール-思い出とこの町」(2003年)などがある。
●2007年、イギリスの女性作家・ ドリス・レッシング。
主な作品に、「黄金のノート」や「草は歌っている」などがある。
●2008年、フランスの「ヌーボーロマン」代表作家・ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ。
受賞理由は「新しい旅立ち、詩的な冒険、官能的な喜びの作家であり、支配的な文明を超越した人間性の探求者」だった。主な作品には、「調書」(1963年)や「海を見たことがなかった少年 モンドほか子供たちの物語」(1978年)、「黄金の魚」(1997年)、「さまよえる星」(1992年)、「戦争」(受賞作品)、「Ourania」 (2005)などがある。
●2009年、ルーマニア出身のドイツ語作家・ヘルタ・ミュラー。詩やエッセイも得意とする。
受賞理由は、「韻文の濃密さと散文の率直さをもって疎外された人びとの風景を描き出している」だった。
●2010年、ペルーの小説家・マリオ・バルガス・リョサ。スペインの国籍も持つ。
1990年以降では初めての、ラテンアメリカの作家の受賞となった。受賞理由は、「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージで描いた」だった。主な作品には「都会と犬ども」(1963年)や「緑の家」(1966年)などがある。
●2011年、スウェーデンの詩人・トーマス・トランストロンメル。
受賞理由は、「幻想的なリアリズムをもって、民話と歴史、現代をつむぎ合わせた」だった。23歳だった1954年に処女作「17編の詩」を発表し有名になると、「路上の秘密」(1958年) 、「闇の視界」(1970年)、「真実の砦」(1978年)などを次々に発表した。
●2012年、中国の作家・莫言。
中国大陸部の作家としては初のノーベル文学賞受賞となった。受賞理由は、「ファンタジーとリアリティー、歴史と社会に対する認識を結合してフランス・ルネサンスを代表する作家・フランソワ・ラブレーやアイルランド人の諷刺作家・ジョナサン・スウィフト、コロンビアの作家・ガブリエル・ガルシア=マルケスなどの作品の複合性を連想させる作品世界を創造したと同時に中国伝統文学と口承文学の伝統から出発点を見つけ出した」だった。代表作には、「豊乳肥臀」(1999年)、「蛙鳴(あめい)蛙」(2011年)などがある。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年10月11日