浙江省余姚市、豪雨で70%以上が水没 停電や断水も
浙江省洪水防止・ 干ばつ対策総指揮部によると、台風23号(フィートウ)がもたらした豪雨の影響で、8日午前10時の時点で、同省の11市、75県、914郷の707万3千人が被災。6人が亡くなった。洪水がもたらした直接経済損失も124億500万元(約1985億円)に達している。中国新聞網が報じた。
同省で被害が最も大きいのは寧波余姚市。同指揮部の宣偉麗・当直主任によると、四明山で降った豪雨の影響で、余姚市内を流れる姚江の堤防から水があふれ出したことが洪水の主な原因。市内の70%以上が水没し、交通機関がマヒしているほか、水没したことで、一部の変電所や浄水場、通信設備などにも影響が出たため、電気や水の供給に障害が出ているという。
余姚市の洪水防止・ 干ばつ対策総指揮部が8日夜に発表した情報によると、同日午後8時の時点で、同市では総雨量平均496.4ミリを記録。観測地点79カ所のうち39カ所で500ミリを超え、張公嶺では最多の809ミリを観測した。また、姚江の水位も最高で533センチとなり、警戒水位を156センチ超えた。24時間の総雨量や姚江の水位はいずれも新中国が成立した1949年以降最多となった。
避難場所となっている寧波余姚双河小学校の責任者、呉建富さんによると、「現在同校には、近くの建江村の村民1000人以上が避難しており、各教室も避難者でいっぱいになっている。避難者が多く、教室の数に限りがあるため、30-40センチ水に浸かっている1階でも避難者が寝泊まりしている状態」という。さらに、「現在、食品は十分にあるが、飲料水が不足。多くの人が飲み水がないと訴えている。断水はしていないが、停電しているため、水道水を沸かすことができない」という。
8日夜7時の時点で、余姚市の21郷・鎮・街道が被災し、145行政村・コミュニティが孤立状態となっている。被災者は83万2870人、損傷が深刻な家屋は2万5650戸、避難者は6万1665人。同市市内のほとんどが水没し、交通がマヒしているほか、山地の道路は全てが通行不可となった。山地の川の周辺や発電所などの施設も深刻な被害を受けている。統計によると、余姚市の直接経済損失は69億9100万元(約1120億円)に達している。