アジア太平洋は「スパゲティ・ボウル現象」を防止すべき
習近平国家主席はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席中、アジア太平洋の発展の将来性への自信を繰り返し表明するとともに、アジア太平洋経済の直面する試練についても分析し、アジア太平洋のエコノミーに対して「スパゲティ・ボウル現象」の出現を防ぐようよう呼びかけた。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究所特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国最高指導者がアジア太平洋経済の将来は明るいと主張するのには、当然十分な理由があり、力を合わせて試練に対処するよう呼びかけるのにも十分な道理がある。
アジア太平洋情勢には、2つの「アジア太平洋」がある。経済のアジア太平洋は依然世界で最も発展の活力と潜在力を備える地域であり、一時的な困難は「アジア太平洋経済衰退論」を支えるには不十分で、将来の発展性は依然有望だ。一方、政治のアジア太平洋はずっと複雑で、しばしば目まぐるしく変化している。平和的発展がアジア太平洋の時代の潮流だが、摩擦や溝が後を絶たず、政治・安全保障分野では「スパゲティ・ボウル現象」がすでに際立っている。
アジア太平洋の構造には、2つの力がある。1つは合力、もう1つは分力だ。APECがアジア太平洋地域で最も高いレベルの、最も広範な、最も影響力ある経済協力組織となることができたのは、各エコノミーの代表性と力の強さが主因ではなく、共に歩み、アジア太平洋の事をより良く処理するという意向によるものだ。今回の会議での各合意もこの点を反映している。
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