今から10年ほど前のインターネット萌芽の時代に、「向こうのコンピューターの前に座っているのが犬かどうか確定することはできない」などとよく言われていた。当時、人々はインターネットの中で「匿名」だった。「新京報」が伝えた。
10年後の今、技術は移り変わり、ビッグデータの時代が到来した。気がつけば、携帯電話のメーカー、ソフトウエアのメーカー、電子商取引プラットフォームが私たちの誕生日、趣味、生活習慣、コミュニケーションスタイル、会話の記録などを把握している。家族構成もすっかりわかっている。最もわかりやすい例を挙げると、これまでは比較的安全だとみなされてきたアップル社の携帯電話にもユーザー監視用の「バックドア」が存在しており、ユーザーの知らない間に通信の記録、ショートメッセージの内容、位置情報などの情報が「診断」の名目で漏洩しているのだ。
専門家によると、ビッグデータの時代には、アップルにバックドアが存在するだけでなく、グーグル系のアンドロイドを含むインターネットに接続するすべてのスマートフォン(多機能携帯電話)が、情報漏洩の危険から逃れることはできず、関連の法律の未整備や監督管理部門のプライバシー保護に対する力不足が、携帯電話でのプライバシー漏洩の主な原因だという。
▽アップルはバックドアの存在認める
セキュリティハッカーのジョナサン・ジジアルスキーさんは25日、アップルの設備からデータを盗み取る方法を明らかにした。こうした「情報提供サービス」が行われていることをアップルのユーザーは知らず、禁止することもできなかった。
問題を指摘されたアップルは、同社の関係者が未公開の技術によって、スマートフォン「iPhone」(アイフォーン)のユーザーのショートメッセージや通信記録、写真といった個人データを引き出していることをやむなく認めた。この技術を利用すれば、「権限を授与した」コンピューターを迂回してバックアップや暗号化を行い、ネットワークに接続したiPhoneに侵入することが可能だという。