ダボス会議が通貨戦争を警告 中国も再び議題に
会期5日間の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が26日、スイスのダボスで開幕した。昨年とは異なり、欧州の債務危機は参加者の視界から遠ざかり、今回はこれに代わって「通貨戦争」が注目のキーワードになっている。また中国をめぐる話題に再び焦点が集まっている。「上海証券報」が伝えた。
今回のテーマは「持続的な発展に活力を注入する」。同フォーラムのクラウス・シュワブ議長によると、今年参加した指導者たちは持続的な強靱さと活力を両立させたいと考えており、外部環境の変化に対応し、突如襲いかかるダメージに抵抗して回復する力をもちたいと考え、また大胆に先を見通し、より大胆に行動したいと考えているという。
▽中国の国内需要に熱い期待 最大のリスクは物価と不動産価格
中国の経済成長や投資環境が直面する課題も、各方面の議論の的になっている。中国人民銀行の易綱副行長(副総裁)が25日、同会議のチーム討論会で述べたところによると、予見可能な未来において、中国は引き続き7%から8%の成長率を保つ潜在力をもつ。こうした潜在力は主に国内需要を発生源としたもので、国民の収入が増加するのにともない、国内消費が非常に力強いものになるという。
今回の会議の議題を眺めると、中国と関連あるテーマを議題とするシンポジウムが多数あることがわかる。「2020年の中国 願望と現実との衝突」、「中国の次の地球的テーマ」などだ。
中国経済の今後数年間の成長見通しは各方面から明るいとされているが、軽視できないさまざまな課題があるとする評論もある。国際環境を眺めると、米国は「財政の崖」や「債務上限」の問題が解決しておらず、欧州債務危機の見通しも楽観できず、こうしたことが外からの課題になるとみられる。さきに中国人民銀行通貨政策委員会の委員を務めた清華大学中国・世界経済研究センターの李稲葵主任は取材に応える中で、中国国内をみると、現在の最大のリスクは物価と不動産価格だと述べた。