北京の大気汚染深刻化 外国人悩ます「北京咳」
北京など中国の多数の都市でここ数週間、大気汚染が深刻化し、外国人が北京に滞在しているときにだけ発症する呼吸器疾病が「北京咳」と呼ばれ中国人の間でも話題になっている。専門家は「中国は深刻な汚染が日に日に拡大する時期に突入し、末端の大気汚染抑制だけでは、問題の解決には至らなくなっている。ぜんそくや気管支炎を引き起こす微小粒子状物質『PM2.5』の抜本的な改善に力を入れるほか、加速して増加する石炭の燃焼を大々的に抑制しなければならない。また、自動車の排気ガス排出の改善にも力を入れるべき」と警笛を鳴らしている。経済参考報が報じた。
北京に住む黄さん(女性)は取材に対して、「外国人の友人2人は北京に来てから、咳が止まらず、治療も効果がない」と語った。
「北京咳」と呼ばれている上記のような症状は主に12-4月の間に発生し、から咳やのどのかゆみに悩まされる。外国人がよく「水が合わない」と言うように、外国人が北京にいる時だけ発症し、北京を離れるとピタリと治るという。外国人だけでなく、中国の南方地方から来た人も、同じような症状に悩まされることがある。
「北京咳」について、北京大学公共衛生学院労働衛生・環境衛生学の潘小川・教授は、「北京特有の現象ではない」と指摘。「中国国内の環境汚染が深刻な大都市では、アレルギー体質の人に同じような呼吸器疾病症状がみられる」という。