日本の量的緩和政策は経済復興にプラスにならない
日本の中央銀行・日本銀行は過去数カ月間に量的金融緩和政策をたびたびうち出してきた。これは欧州や米国が相次いで「無期限の」量的緩和政策をうち出したために円が継続的に高くなって、日本が取らざるを得なくなった反撃措置であり、また根本的にいえば、弱体化しつつある日本経済を活性化させる措置だといえる。(文:石建勲・同済大学財経証券市場研究所所長・経済管理学院教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
量的緩和政策は日本経済の復興を促すことができるだろうか。答はノーだ。原因として次のようなことが考えられる。
日本の目下の主要な問題は需要の不足であり、流動性の不足ではない。経済の見通しがはっきりしないため、日本企業は投資や生産の拡大には慎重だ。日本政府は消費税率を引き上げようとしており、未来に不安を抱えた日本人は消費を控えている。日本国民の多くが経済の見通しに不安を抱いていることから、企業の投資と国民の消費が大きな影響を被る可能性がある。量的緩和政策がこうした状況を変えるのは難しいとみられる。
日本経済は苦境に陥っている。世界経済の減速や円高の影響だけでなく、日本の政治が重い足かせになっていることが主な原因だ。日本の政治は右翼勢力にがんじがらめにされ、第二次世界大戦後の国際秩序に公然と挑戦し、「中国のものである釣魚島(日本名・尖閣諸島)を購入する」という茶番劇や韓国との独島(日本名・竹島)をめぐる争い、ロシアとの北方領土をめぐる争いなどを演じて、東アジア地域の平和と安定を大幅に損ない、日本企業の海外での投資利益や日本製品の海外市場での販売に大きな影響を与えている。政治と経済は切っても切り離せないもので、隣国の主権や領土を蚕食し、隣国の国民感情をたびたび損ないながら、一方では隣国やその国民から大きな経済的利益を得たいというのは、日本の政治屋たちの一方的な願望だ。