不動産市場「黄金の10年」を回顧 価格20倍も (2)
不動産界の「ボス」任志強氏は自身のブログの中で次のように記した。(この物件を)売り出した当初の価格は1平方メートルあたり約4千元だった。(近くにある)中関村小学校と中関村幼稚園は私がこの物件に合わせて建てたものだ。(小学校と幼稚園ができると)その頃には価格は同7千元から8千元になっていた。不動産ディベロッパーが獲得するよりもはるかに多くのリターンを得ることができ、本当によい投資商品だといえる。財経網公式ブログによると、このエリアは2000年の売り出し時の価格は4千元ほどで、その後13年間で20倍上昇した。重要な原因の一つは戸籍で、ここに戸籍があれば子どもが中関村小学校に入れるからだという。
不動産投資の「立派な業績」を前にすると、銀行や株式市場などでの投資という選択は浮き雲のようなはかないものにみえてくる。中国不動産研究会の顧雲昌副会長は取材に応える中で、過去10年間を振り返ると、不動産は最も重要な消費財ではなく、一種の優れた投資財だったことは確かだ。その原因は、不動産に投資すれば資産価値の拡大や維持を実現できるからだと述べた。
顧副会長はその他の投資という選択について次のように話す。銀行に預金した場合、統計データをみればマイナス金利ではないものの、国民の感覚的にはマイナス金利となる。株式を買えば身動きが取れない状態になる。金に投資すれば資産価値の拡大・維持が可能だが、金投資はよくわからないという人がまだ多い。骨董の収集はだまされることが恐い。結論としていえるのは、銀行に預ければ略奪され、株式を買えば身動きが取れなくなり、骨董を買えばだまされるのが恐く、金を買うのはよくわからない、ということだ。
■不動産市場「黄金の10年間」 不動産が最も主要な投資財に
同局が同日発表したデータでは、今年2月には全国の大・中都市70カ所のうち66カ所で新築・中古住宅の価格が前月より上昇した。このうち北京、上海、広州、深センの四大一線都市は高い上昇率を維持し、価格上昇圧力が引き続き厳しかったという。
不動産市場の過去10年間を振り返ると、調整は中断されていないものの、価格は上昇を続けた。顧副会長によると、不動産価格急上昇の背後には通貨の乱発がある。過去10年間に中国の広義マネーサプライ(M2)は5-6倍増加し、これはちょうど北京市平均不動産価格の伸びと一致しており、不動産を買えば資産価値の拡大・維持が基本的に達成できることになった。