日本が自衛隊法改正の動きを加速
【中日対訳】 NHKの21日夜(日本時間)の報道によると、日本の小野寺五典防衛相は人質となっていた日本人の帰国支援のためにアルジェリアへ派遣する専用機がすでに羽田空港に到着し、命令を待っていることを明らかにした。日本政府はアルジェリア当局と調整を進めている。これまで同様の事件で政府専用機を使用したケースはなく、今回が初めてとなる。
アルジェリアで天然ガス関連施設を建設していた日本の日揮および関連会社の従業員78人(うち日本人は17人)が16日、拉致された。報道によるとこれまでに日本人7人の無事が確認されたが、7人が殺害され、3人の安否が不明となっている。日本政府は21日、日本人の生存者の帰国と遺体搬送のために政府専用機1機(約150人搭乗可能)をアルジェリアに派遣することを決定した。鈴木俊一外務副大臣と関係者の家族も専用機でアルジェリアへ向かう。共同通信によると自衛隊法の定める「在外邦人輸送」に基づき、外相の指示を経て決定された。
日本政府専用機は航空自衛隊が管理するボーイング747-400型で、2機1組。自衛隊法は日本人が国外で災害や騒乱など緊急事態に巻き込まれた場合、自衛隊を出動して輸送できるとしている。だが現地の安全が確保されることが前提条件で、武器の使用についても多くの制限がある。
菅義偉官房長官は21日午後の声明で、城内実外務政務官と医療チームがアルジェリアに到着し、人質拉致現場を視察したことを明らかにした。安全上の理由から、まだ病院での日本人犠牲者の遺体の確認はできていない。自衛隊法の海外派兵条項と海外での武器使用制限のため、アルジェリアに護衛部隊を派遣することはできない。このため安倍晋三首相は20日夜にフランスのオランド大統領と電話会談した際、在アルジェリア仏軍による日本政府と企業の人員への護衛を要請した。オランド大統領は人質事件について「フランスは日本と一致団結している。双方は緊密に協調し、各自の人員のアフリカでの安全を守る」と表明した。安倍首相はフランスとアフリカの国の軍によるマリでの行動への支持を表明した。
今回の人質事件によって自衛隊法改正の動きが加速した。小野寺防衛相は19日「自衛隊の在外邦人保護時の武器使用基準は厳しすぎる。危険にさらされた在外邦人の保護に自衛隊が行けるよう、法律を改正する必要がある」と表明した。