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あるネットユーザーが最近、SNSに「カフェに行くと仕事や勉強がはかどるのはなぜなのだろう」という質問を書き込み、多くのネットユーザーから「同感だ」というコメントが寄せられている。中国日報が報じた。
今や、集中できなかったり、どうしても気が散ったりする時に、カフェに行って気分転換するという学生やサラリーマンが少なくない。
カフェには何か特別な力でもあるのだろうか?なぜカフェに行くと、まるで勉強や仕事のモードにスイッチが切り替わったように、効率が一気に高まるのだろうか?
米学術誌「The Journal of Neuroscience」に掲載されたある論文によると、なじみのない環境が、脳を勉強モードに切り替えるのを助けてくれるようだ。
勉強前や勉強中に予期せぬ出来事に遭遇すると脳の順応メカニズムが刺激され、「予期せぬ出来事」の記憶が増強される。
認知機能は、外部の情報に関する記憶を基礎に成り立っている。そうなると、脳の記憶を司る海馬に触れないわけにはいかない。ある研究によると、海馬の記憶機能は、主に記憶のコード化と記憶の検索の2つに分けることができる。記憶のコード化とは、取得した情報を処理し、メモリーする必要のある記憶の軌跡を作ること。記憶がコード化された後、海馬が検索することが可能になる。そしてこの記憶の検索には、メモリーされた記憶を呼び出すことも含まれる。
そしてカフェの環境は、なじみがなく、新鮮味がある場合が多く、それが「予期せぬ出来事」となり、海馬の記憶のコード化機能のスイッチが入り、脳が勉強モードへと切り替わるため、勉強がはかどることになる。
カフェや図書館に行くと、勉強や仕事がはかどるのはなぜか?という最初の質問に戻ると、以下のいくつかの理由が考えられる。
1.実験で明らかになっている通り、なじみのない環境が、海馬の記憶のコード化機能のスイッチを入れ、脳が勉強モードに切り替わる。
2.コーヒーのカフェインが中枢神経を刺激し、集中力が高まる。
3.カフェでは勉強や仕事がはかどるのは社会的促進とも関係がある可能性がある。
社会的促進をもたらすというのもカフェの最大のメリットの一つだ。カフェで他の人が仕事をしているのを見ると、自分も自然と仕事モードに入ることができる。周りの人を見るだけでも、頑張って仕事をしようという気分になる。
4.適度なバックミュージックやホワイトノイズがあると、創造力が高まる。カフェのような場所では多少の雑音があり、良いアイデアが浮かぶのを促進してくれる。
こうした音楽や雑音は決定能力も高めてくれ、「カフェ効果」とさえ呼ばれている。
そのため、カフェのジャズミュージックや適度に聞こえてくる会話の声、バリスタが豆を挽いてコーヒーを淹れる音などは、実際には「雑音」ではなく、傑作の創出を助けてくれる「味方」となってくれる可能性があると言えるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月2日