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「老化」をめぐる話題で、最も想像したくないのは「認知症」かもしれない。家族や友人などのことが少しずつ分からなくなったり、家に帰る道を思い出せなくなったり、周りの人には理解できない行動をしてしまったり、深刻な場合は、言葉を話すことすらできなくなってしまい、患者やその家族に大きな苦痛をもたらす。世界保健機関(WHO)の関連データによると、世界には現在、認知症患者が5500万人以上おり、毎年約1000万人のペースで増加している。そして、認知症は今、7番目に多い死因となっている。紅星新聞が報じた。
数々の研究では、教育水準や喫煙、肥満、飲酒、高血圧、聴力障害、うつ病、糖尿病などが認知症の潜在的なリスクであるということが分かっている。では、リスクを低下させ、認知症を予防する方法はないのだろうか?その答えは「ある」だ。
7月27日、四川大学華西医院生物医学ビッグデータセンターの研究員である宋歓氏が率いるチームの研究論文「Physical and Mental Activity, Disease Susceptibility, and Risk of Dementia」が、米国神経学会の公式ジャーナル「Neurolog」に掲載された。
同研究では、日常的に運動や家事をしたり、頻繁に友人や家族を訪問して良好で社交的なライフスタイルを維持したりすると、認知症リスクを低下させることができる可能性があることが分かった。
研究チーム
同研究では英国の大規模データUK Biobankを用い、50万1376人の遺伝子データや整った医学診断追跡データを基に調査が実施された。研究対象となったのは40ー69歳の男女で、平均年齢は56歳で、男性が43.6%を占めた。調査が行われたのは2006年から2010年までとなっている。
日常的に家事をすると認知症リスク21%低下
研究では「身体活動」と「精神的活動」の2つの分野に分けて調査が行われた。「身体活動」が最も少ない人と比べて、日常的に運動や家事をしている人の認知症リスクは35%と21%低下した。「精神的活動」を見ると、バーや社交クラブに行ったり、テレビを見たりすると認知症リスクが高まるのに対して、頻繁に友人や家族を訪問したり、その他の団体活動に参加したりすると認知症リスクが低下した。
しかし、同じ社交的な活動に見えるものの、バーに行くよりも、友人や家族を訪問するほうが認知症リスクが低下するのはなぜなのだろうか?
宋氏は、「これまでのストレスや精神状態と認知症発生の関係を調べる研究では、友人や家族と交流したり、悩みを話したりすると、積極的な社会的サポートを得ることができ、ストレス軽減につながり、保護作用が働くことが分かっている。バーに行くというのも社交的活動ではあるものの、実際には娯楽の要素が強く、夜更かしや喫煙、飲酒といった悪い生活習慣を伴うことが多い。そのため、無益なのかもしれない」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月22日