北京時間今月8日午後3時22分、二十四節気の17番目「寒露」を迎えた。秋が深まり、夜が長くなり、野の草花に宿る露が冷たくなる時節となる。中国のほとんどの地域では、気温が急速に下がり、日中と夜の気温差が激しくなる。
秋の5番目の節気となる「寒露」を過ぎると、北半球では、日射角度がさらに低くなり、地面が受ける太陽熱の量も夏に比べて目に見えて減少し、寒気の勢力が増す。また、昼の時間が少しずつ短くなり、夜の時間が少しずつ長くなるため、日照時間も減り、気温が下がり、空気も乾燥しがちだ。
中医学の「春と夏は陽気を養い、秋と冬は陰気を養う」という養生理念によると、今の季節は、陰気を養って乾燥を予防し、肺を潤し、胃にやさしいものを食べるのが良い。例えば、ゴマは胃、肝、心、脾、肺、腎の働きを促進し、老化防止にもなる食品だ。そのため、中国の民間には、「寒露」にゴマを食べる習慣がある。また、新鮮な春の茶はほとんど蒸らす必要なく、さわやかな香りがし、夏の茶は、乾燥していて苦味があるのに対して、「寒露茶」は、独特の風味があり、あまく、さわやかな香りを楽しむことができるため、長年にわたって茶に親しんでいる人々から人気が高い。
「寒露」の頃は、空気が澄むさわやかな季節で、絶好の旅行シーズンとなる。中国では昔から現在に至るまで、高い山に登ったり、キクの花を鑑賞したり、紅葉狩りに出かけたりというのが、この時期の恒例行事となっている。中国江南エリアにはこの時期にカニを食べたり、魚釣りをしたりする習慣もある。
「寒露」の間に冬への移行進む中国各地
中国天気網の気象ビッグデータのまとめによると、「寒露」の期間中、中国では秋から冬へと移行する地域が一気に広がり、冬が秋を超越するようになる。また、中国の北方エリアのほとんどの地域では日中と夜間の気温差が10度以上になり、華北エリアや西南エリアでも霧の発生しやすい時期へと突入する。
中国天気網の気象分析師・王偉躍氏によると、1991年から2020年の平均的な気候データを見ると、「寒露」の1日目に冬入りしている地域は東北エリアの中・北部、内蒙古(内モンゴル)中・東部、チベット高原の大部分、新疆維吾爾(ウイグル)自治区北部と天山沿いなどの一帯に限られ、「夏」のラインは華南エリア、雲南省南部にまで南下。他のほとんどの地域の季節は「秋」となっている。
しかし、「寒露」の最後の1日になると、「冬」のラインは山西省南部、陝西省中部、甘粛省南部、川西高原の南部にまで南下し、「秋エリア」を超越して、冬が新たな「覇者」となる。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年10月8日