6月28日から29日にかけて、各国首脳が集まる主要20ヶ国・地域首脳会議(G20サミット)が日本の大阪で開催され、無事に閉幕した。同サミットでは習近平国家主席の談話が全世界の注目を集め、多国間主義と一国主義、経済協力と保護貿易主義が対立する国際情勢下で、中国が提唱する世界経済やグローバルガバナンス改革はどのような影響力を与えるのだろうか。この点に関して、人民網は日本の著名な経済学者で国際貿易投資研究所の江原規由研究主幹を取材した。人民網が伝えた。
「世界の声」を代表する習近平国家主席の談話
江原氏は、「G20サミットにおいて、習近平国家主席はその発言の中で『世界経済は再び十字路にさしかかった』とし、貿易摩擦、保護貿易主義の弊害を指摘し、G20はあるべき国際経済・グローバルガバナンスの形成に責任があると強調するとともに、事態打開に向けた4つの提案と5つの具体策を提起している」と語った。
また、江原氏は、「現在、世界の趨勢は反保護貿易主義、多国間貿易主義となっている。こうした『世界の声』を代表し、国内外に向けた対応策を対外発信できる国は現在、中国だけではないだろうか。40年来の改革開放で中国は世界経済発展に最も貢献している。さらに、協力・ウィンウィン、開放型経済、多国間主義を前提とする『一帯一路(the Belt and Road)』への国際的支持などが追い風になっていると考えられる。総じて、習近平国家主席の発言は時代の要請に沿った世界経済の発展に向け、大国としてのリーダーシップを発揮していこうとするエネルギーに満ちていたといえる」との見方を語った。
差し迫った課題となるグローバルガバナンス改革
江原氏は、「習近平国家主席のG20の発言で、『世界はすでに新旧エネルギーの転換期に入った』と指摘しているが、これはまさに時代を見つめた名言。保護貿易主義、一国主義は時代に逆行していることは歴史の証明するところだ。G20、世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行などのグローバルガバナンス機構は、まさに反保護貿易主義、反一国主義の弊害に対する砦となっている。その弊害が高じつつある現在、中国が提起している公正で客観的なグローバルガバナンスの改革が求められていることは明らかといえる」と強調した。