華為(ファーウェイ)は27日、イノベーションと知的財産権に関する白書を発表し、知的財産権問題を政治問題化することはあってはならないことだと呼びかけた。ファーウェイの最高法務責任者である宋柳平氏は、「知的財産権はイノベーションの礎であり、知的財産権問題を政治問題化することは、グローバル技術の進歩を阻害する恐れがある」と指摘した。北京商報が伝えた。
「知的財産権の尊重と保護は、革新にとって避けては通れない道」と題するこの白書では、「イノベーションと知的財産権の保護によって、30数年に及ぶファーウェイの成功の土台が確立した」と指摘している。
ファーウェイは、毎年、企業利益の10~15%を研究開発費に充てており、過去10年間の研究開発投入額は累計約730億ドル(1ドルは約107.6円)に達した。2018年末現在、同社は、5Gネットワークの研究開発に20億ドル以上を投じてきた。この金額は、欧米諸国の主要設備プロバイダーの5G研究開発投資総額を上回っている。
こうしたファーウェイの投資効果は著しかった。2018年末の時点で、ファーウェイが取得した特許件数は累計8万7805件に上り、うち1万1152件は米国で登録された。2015年以降、ファーウェイが取得した知的財産権収入は累計14億ドルを上回った。自社の特許のほか、ファーウェイは他企業の特許を合法的に使用するために、累計60億ドル以上の特許権使用料を拠出し、うち約80%は米国の企業に支払われた。
さらに、宋氏は特許権を使用する上でのファーウェイの立場についても言及し、「ファーウェイが特許権を『武器』として使用することで、他の企業を制限するようなことはしない。今後も、オープンかつ協力的なスタンスで、公平・合理的・非差別的(FRAND)の原則にのっとり、各メーカーや通信キャリアと特許権の使用許可や授権をめぐる話し合いを進めていく」と強調した。
中国が5G元年を迎え、世界の5Gネットワークも大規模な配備をスタートさせている。ファーウェイ5G製品ラインナップを担当する楊超斌・総裁は、「ファーウェイは今年、5Gの研究開発に100億元を投じる計画だ。この100億元は、主に、『研究開発スタッフの人件費』、『大量の機器・設備調達費』、『ファーウェイ製チップの開発投入などの製品開発費』の3分野に運用される。5Gの大規模商用化にともない、携帯端末メーカー各社は、フラッグシップ機種から中級・ローエンド機種に至るまでの5G端末機種を揃えるに違いない。私は、端末価格は来年、2~3千元(1元は15.7円)の価格帯にまで下がるのではないかと予想している」との見方を示した。
現在までにファーウェイはすでに全世界で50件の5G商用契約を獲得している。5G設備の出荷数はすでに15万セットを上回り、契約先国は韓国、スイス、英国、フィンランドなどとなっている。世界で5G商用ネットワーク構築をすでに発表している国の3分の2は、ファーウェイの通信機器を採用している。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月28日